内容説明
芸術の受け手、そして送り手の思惑が織りなす伝説。美術史研究への自問をふくめ、多岐にわたる問題圏に接続した特集。
目次
フランス近代絵画と芸術家伝説
ヴァザーリの歴史記述の内と外:『芸術家列伝』の地理的構成―第1部・2部を中心として
「小説のように見えるが、すべて真実であるだろう」―カルロ・チェーザレ・マルヴァジアの美術史叙述についての覚え書き
手仕事と個―オクタヴ・タッセールのアトリエ図
自己演出する芸術家―マルセル・デュシャンの同一性
ルネサンスの画家にとってのモデルとしてのアペレス―デューラーによる芸術家伝説の利用法をめぐって
「外部」の声―チェリーニの『自伝』を中心に
人名で読むカーレル・ファン・マンデルの『画家の書』
自立への苦闘?―若きヴァン・ダイクとルーベンス
フランシスコ・デ・ホランダ著『古画論』および『ローマでの対話あるいは古画論第二書』
Giuseppe Barbieri,L’inventore della pittura:Leon Battista Alberti e il mito di Narciso
Catherine M.Soussloff,The Absolute Artist:The Historiography of a Concept
文献リストと解題
「啓示としての洗礼」―トゥッリオ・ロンバルド作「ヴェネツィア総督ジョヴァンニ・モチェニーゴ記念碑」に関する一考察
セザンヌ没後百年展