内容説明
ハニフォード事件(教育と人種主義)とラシュディ事件(表現の自由と多文化主義)。多「人種」・多文化社会イギリスにおいて、サッチャー政権下で起きた「多文化主義」をめぐる2つの事件の新聞報道を通して、「新しい人権主義」の言説が「自然化」される過程を明らかにしていく。
目次
序章(分析を始める前に―概念の枠組み;方法論の枠組み)
第1章 イギリス社会の多「人種」・多分化化とニューライト教育改革(イギリス社会の多「人種」化・多文化化;イギリスにおける多文化主義施策の台頭 ほか)
第2章 ハニフォード事件(ハニフォード事件の経過と事件をめぐる解釈;ハニフォード事件の新聞報道 ほか)
第3章 ラシュディ事件(『悪魔の詩』とラシュディ事件の経過;ラシュディ事件の新聞報道 ほか)
終章
著者等紹介
浜井祐三子[ハマイユミコ]
1970年、大分県生まれ。1999年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。現在、北海道大学言語文化部助教授(イギリス地域研究、マイノリティ研究)
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感想・レビュー
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サクマ
1
レポート用。人種主義/多文化主義/ラシュディ事件/エスニック・マイノリティ/メディア/イギリスでは多文化主義の登場でマイノリティの区分が「人種」から「文化」へと変化したが、文化間に差異があり、その差異を決定する権利をマジョリティ側が持っている限り状況は変わらない。2010/03/01
henokappa
0
レポート用 イギリスでのマジョリティは(新)人種主義であり、メディアはハニフォード事件とラディシュ事件を通じ反人種主義をイギリスを後退させるものと言及したハニフォードに好意的な印象を作ることで、またはムスリムを暴徒と称し危機になり得るものであると非難しているが商業的側面から言うとメディアが売上を上げるためにマジョリティの意見を支持し、マイノリティの扱いが小さくなることは避けられないだろう。著者は商業的側面について言及しているものの研究に当たっては考慮していないようにみえた。2013/06/03
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