出版社内容情報
(1997年『新しい食品素材と機能』)
【普及版の刊行にあたって】
食品のもつ,機能性という概念は,わが国では昭和59~61年の文部省特定研究「食品の機能の系統的解析と展望」において,初めて提示された。これによれば,食品にはカロリーなどの栄養面での働き(一次機能)や,嗜好面での働き(二次機能)のほかに,人間の生理機能を活性化させる働き(三次機能)をもっており,このような三次機能を効率よく発現できるよう設計した食品を「機能性食品」とする考え方が提唱された。
農林水産省ではこれら三次機能を生み出す食品成分,またはこれらの成分を含む成分を「食品新素材」と定義し,食品新素材およびこれらを利用した食品の適正な普及を目指した施策をすすめている。
食品素材中には,抗酸化,がん予防,免疫賦活,代謝亢進など数々の有効成分があり,これを駆使した食品が数多く開発されている。
本書は多様な食品素材から得られる多様な機能の中で,注目されているもの,今後の応用が期待されているものをとりあげて編集した。総論では,食品新素材の利用状況や食品の機能性の解明,また特定保健用食品の話題,食品抗酸化物について,各論編では特定の素材(群)とそれらのもつ機能を各分野でご活躍中の方々にご執筆いただいた。
食品新素材の応用は食品のみならず医薬,化粧品,その他工業製品への展開もあり,これらの応用についても記述いただいた。食品,食品素材,医薬品,化粧品はじめ本テーマに興味をお持ちの方々にご購読いただければ幸いです。
2005年1月 (株)シーエムシー出版 編集部
【執筆者一覧(執筆順)】
澤 岡 昌 樹 農林水産省 食品流通局 食品油脂課 課長補佐
田 仲 健 一 エコーパス 代表 元・(財)日本健康・栄養食品協会
伊 東 祐 四 伊東技術士事務所 技術士(生物工学,農業)
井 上 正 康 大阪市立大学 医学部 教授
加 柴 美 里 大阪市立大学 医学部 技術職員
(現) 慶応義塾大学 医学部 医化学教室
大 澤 俊 彦 名古屋大学 農学部 応用生物科学科 教授
(現) 名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授
田 中 嘉 郎 ライオン(株) プロセス開発センター 主任研究員
竹 中 哲 夫 玉川大学 農学部 農芸化学科 教授
竹 中 陽 子 T&T食品研究所
伊 藤 義 博 (財)生産開発科学研究所 細胞活性研究室 室長
(現) (財)生産開発科学研究所 細胞活性システム研究部 部長
眞 岡 孝 至 (財)生産開発科学研究所 細胞活性研究室 主任研究員
(現) (財)生産開発科学研究所 食物機能研究部 主任研究員
水 谷 健 二 丸善製薬(株) 研究開発本部 生物化学研究室 室長
(現) 丸善製薬(株) 総合研究所 副所長
田 村 幸 吉 丸善製薬(株) 研究開発本部 生物化学研究室 課長代理
(現) 丸善製薬(株) 総合研究所 素材研究部 副部長
村 上 明 近畿大学 生物理工学部 助手
(現) 京都大学大学院 農学研究科 助手
小清水 弘 一 近畿大学 生物理工学部 教授
(現) 京都大学名誉教授
大 東 肇 京都大学大学院 農学研究科 教授
小 砂 憲 一 (株)アミノアップ化学 代表取締役
前 田 雅 民 帝京大学 薬学部 大学院
上 田 浩 史 帝京大学 薬学部 教務職員
山 﨑 正 利 帝京大学 薬学部 薬品化学教室 教授
瀧 原 孝 宣 (株)伊藤園 中央研究所 技術研究課 研究主事
(現) (株)伊藤園 中央研究所 主査
角 田 隆 巳 (株)伊藤園 中央研究所 開発研究課 課長
(現) (株)伊藤園 中央研究所 所長
北 田 卓 也 三菱重工業(株) 名古屋研究所 高分子・化学研究室 研究員
(現) 三菱重工業(株) 名古屋研究所 食品機械・エンジン研究室 主任
竹 内 直 和 三菱重工業(株) 名古屋研究所 高分子・化学研究室 室長
佐 藤 仁 宣 三菱重工業(株) エアコン製作所 技術部 主任
沖 田 定 喜 サントリー(株) ヘルスケア事業部 課長代理 技術士(生物工学)
(現) サントリー(株) 健康食品事業部 部長
川 﨑 晃 一 九州大学 健康科学センター 教授
(現) 九州産業大学 健康・スポーツ科学センター 教授
伊 藤 和 枝 中村学園大学 家政学部 教授
(現) 愛知学泉大学 家政学部 教授
阿 部 岳 理化学研究所 先任研究員
須 見 洋 行 倉敷芸術科学大学 産業科学技術学部 機能物質化学科 教授
JTTAS天然物・生理機能素材研究委員会 会長
多 田 全 宏 東京農工大学 農学部 応用生物科学科 教授
(現) 東京農工大学大学院 共生科学技術研究部 教授
高 野 嘉 夫 宝酒造(株) 食品マーケティング部 部長
佐 本 将 彦 不二製油(株) 中央研究所
(現) 不二製油(株) フードサイエンス研究所 主任研究員
河 村 幸 雄 農林水産省 食品総合研究所
(現) 近畿大学 農学部 応用生命化学科 教授
石 脇 尚 武 キリンビール(株) 応用開発センター 主任研究員
加 藤 友 治 太陽化学(株) 総合研究所 研究開発部 部長
水 谷 良 信 太陽化学(株) 総合研究所 副主任研究員
村 上 文 和 丸善製薬(株) 研究開発本部 食品開発センター 課長
(現) 丸善製薬(株) 海外原料部 副部長
東 村 豊 三栄源エフ・エフ・アイ(株) 第三研究部 フードカラー研究室
(現) 三栄源エフ・エフ・アイ(株) 応用研究部 東京応用研究室
担当課長
香 田 隆 俊 三栄源エフ・エフ・アイ(株) 第三研究部
(現) 三栄源エフ・エフ・アイ(株) 取締役
酒 井 昇 海拓舎(株) 専務取締役
(執筆者の所属は,注記以外は1997年当時のものです。)
【構成および内容】
<総論編>
第1章 食品新素材の利用状況 澤岡昌樹
1.はじめに
2.食品新素材の種類と現状
3.食品新素材の利用状況
4.施策と将来展望
第2章 機能追究型食品のその後 田仲健一
1.はじめに
2.食品の機能と機能性食品
3.特定保健用食品とは
4.機能性食品と特定保健用食品
5.特定保健用食品はなぜ必要か
6.産業界の対応
7.特定保健用食品の現状と課題
第3章 低アレルギー対応型食品の開発状況 伊東祐四
1.はじめに
2.代替食品の開発
3.アレルゲン低減型食品の開発
4.アレルギー抑制型食品の開発
5.おわりに
第4章 食品抗酸化物と活性酸素代謝 加柴美里,井上正康
1.はじめに
2.生体の抗酸化分子群の種類とその特性
3.抗酸化物質と機能性食品
<食品素材と機能編>
第5章 ゴマ抽出物と抗酸化機能 大澤俊彦
1.はじめに
2.セサミノールの製法
3.ゴマ脱脂粕からのリグナン配糖体の抽出
4.ゴマ脱脂粕の他の有効成分
5.おわりに
第6章 カロチノイドと抗酸化機能 田中嘉郎
1.はじめに
2.天然カロチノイドについて
3.皮膚におけるカロチンの抗酸化作用
4.カロチンの発ガン抑制作用
5.おわりに
第7章 オカラ由来成分と抗酸化機能 竹中哲夫,竹中陽子
1.はじめに
2.オカラの現状
3.オカラの有効利用
4.オカラ由来水溶性抗酸化物の開発の経緯
5.アミノ化合物の抗酸化力
6.オカラ由来の水溶性天然抗酸化物質について
7.オカラ由来抗酸化物の利用
8.おわりに
第8章 ドクダミとβ-カロチンの相乗的抗酸化作用 伊藤義博,眞岡孝至
1.はじめに
2.クエルシトリンとβ-カロチンの抗酸化効果
3.培養細胞による実験(抗酸化効果を検定するための条件設定)
4.クエルシトリンとβ-カロチンの抗酸化効果-培養細胞による実験
5.ドクダミ搾汁液とβ-カロチン投与の動物実験
6.おわりに
第9章 MGGRとガン予防効果 水谷健二,田村幸吉
1.はじめに
2.MGGRの甘味
3.酵素反応によるMGGRの生産
4.MGGRの食品への利用
5.MGGRのガン予防効果の検討
6.おわりに
第10章 グリセロ糖脂質と発ガンプロモーション抑制作用 村上 明,小溝水弘一,大東 肇
1.はじめに
2.発ガン予防研究の近年の動向
3.発ガンプロモーションとは?
4.発ガン予防に有効な食品素材-タイ国産野菜類の例
5.グリセロ糖脂質のプロモーション抑制作用
6.DLGCの作用機構解析
7.おわりに
第11章 活性ヘミセルロースと免疫賦活作用 小砂憲一
1.はじめに
2.AHCCの製法
3.AHCCの加工
4.AHCCの物性
5.AHCCの効能
6.AHCCの応用
第12章 バナナと免疫増強作用 前田雅民,上田浩史,山崎正利
1.はじめに
2.食理学序章
3.バナナ果汁による腹腔滲出細胞集積作用
4.バナナ果汁中の腹腔滲出細胞集積物質の熱安定性
5.バナナ果汁による白血球増殖作用
6.バナナ果汁による白血球の活性化
7.バナナ果汁による腫瘍壊死因子(TNF)誘導作用の検討
8.バナナ果汁による抗腫瘍作用
9.バナナ果汁に含まれるBRM様物質の単離
10.おわりに
第13章 茶抽出テアニンと興奮抑制作用 瀧原孝宣,角田孝巳,北田卓也,竹内直和,佐藤仁宣
1.はじめに
2.テアニンとは
3.テアニンの生理活性
4.チャテアニンの大量生産技術の開発
5.市場展望
第14章 糖類・茶類と食品機能 沖田定喜
1.はじめに
2.機能性食品素材の開発
3.キシロオリゴ糖の開発
4.甜茶抽出物(サンテンチャTM)
5.ウーロン茶抽出物
6.おわりに
第16章 マグネシウムと降圧効果 川崎晃一,伊藤和枝
1.はじめに
2.生体におけるマグネシウム
3.食品中のマグネシウム含有量ならびにマグネシウム摂取量と排泄量
4.高血圧とマグネシウムに関する研究
5.おわりに
第16章 スズメバチ栄養液と代謝亢進機能 阿部 岳
1.はじめに
2.スズメバチ社会の絆
3.アミノ酸の機能
4.スズメバチ栄養液の作用
5.ヒトでの効果
6.今後の課題
第17章 納豆菌と抗菌活性 須見洋行
1.はじめに
2.納豆および納豆菌の抗酸活性
3.今後の応用展開
第18章 植物由来物質と抗ウイルス活性 多田全宏
1.はじめに
2.ウイルスの分類
3.抗ウイルス活性物質のスクリーニング法
4.抗ウイルス活性を示す天然物
第19章 CCMとカルシウム吸収機能 高野嘉夫
1.はじめに
2.ヘルスクレイムへの期待
3.「カルシウムパーラー」の販売動向
4.カルシウムが足りない
5.CCMカルシウム
6.「カルシウムパーラー」の成功要因
第20章 大豆タンパク質と低アレルゲン化 佐本将彦,河村幸雄
1.はじめに
2.アレルゲンタンパク質の除去による低アレルゲン化
3.大豆アレルゲンの特定
4.大豆アレルゲンタンパク質Gly mⅠの除去
5.Gly mⅠの選択的除去方法の開発
6.低アレルゲン大豆タンパク質の応用
7.おわりに
第21章 酵母と多様な機能 石脇尚武
1.はじめに
2.酵母の食品・飼料用途の概括論
3.酵母マイクロカプセルについて
4.おわりに
第22章 乳化剤と食品改質機能 加藤友治,水谷良信
1.乳化剤の種類と状況
2.乳化剤の機能と用途
3.工業用途への応用
4.「チラバゾール」の種類と添加効果
5.「チラバゾール」の新しい展開
第23章 ユッカ抽出物の日持ち向上作用 村上文和
1.はじめに
2.植物成分の抗菌活性
3.ユッカとは
4.ユッカ抽出物の抗菌成分
5.ユッカ抽出物の特長
6.ユッカ抽出物の利用
7.おわりに
第24章 天然色素と応用 東村 豊,香田隆俊
1.はじめに
2.天然色素の分類
3.天然色素の性質
4.天然色素の構造および特徴
5.新素材と応用技術
6.市場の展望と課題
7.おわりに
第25章 芳醇魚醤調味料と応用 酒井 昇
1.はじめに
2.原料
3.仕込,発酵,熟成
4.製品特性
5.おわりに
目次
総論編(食品新素材の利用状況;機能追求型食品のその後;低アレルギー対応型食品の開発状況;食品抗酸化物と活性酸素代謝)
食品素材と機能編(ゴマ抽出物と抗酸化機能;カロチノイドと抗酸化機能;オカラ由来成分と抗酸化機能;ドクダミとβ‐カロチンの相乗的抗酸化作用;MGGRとガン予防効果 ほか)



