プラスチックの相溶化剤と開発技術―分類・評価・リサイクル

プラスチックの相溶化剤と開発技術―分類・評価・リサイクル

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  • サイズ A5判/ページ数 192p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784882310358
  • NDC分類 578.4
  • Cコード C3040

出版社内容情報


   刊行のねらい
 
 「ポリマーブレンド」あるいは「ポリマーアロイ」の開発は、各々異なる特性を有した材料を組み合わせ、高度化、多様化するニーズに応える手法として注目を浴びている。新規のポリマー開発にかかわる莫大な開発費用を考えると、ますますこの傾向は強まると言える。
 ところで、現実には異種高分子対のほとんどが相分離であるため「相溶化剤」の果たす役割はきわめて重要となる。ポリマーアロイにおける相溶化技術は種々あるが、現在、脚光を浴びつつあり、その可能性と将来性が高く、相溶化効果の高い相溶化剤に対する期待は大きい。むしろ相溶化剤が優れたポリマーアロイを作る鍵であるといっても過言ではない。また、ポリマーのリサイクル、プラスチックのリサイクルにとってもこの「相溶化剤」の果たす役割が注目されており、当面の環境問題対策に役立つのではないかといわれている。このように相溶化剤は日進月歩の分野であり、大きなビジネスチャンスが期待できる。
 本書は、相溶化剤の「技術的課題と展望」「開発と実際展開」「評価技術」「リサイクル」「市場」「海外動向」等についてまとめ、全体の動向が把握できる情報提供を目的とした。


   執筆者一覧(執筆順)

浅井 治海
秋山 三郎   東京農工大学 工学部
上田 明    大阪市立工業研究所 プラスチック課
川上 雄資   北陸先端科学技術大学院大学
山下 晋三   京都工芸繊維大学 名誉教授
大村 博    日本油脂(株) 化成品研究所
山本 隆    日本油脂(株) 理事・技師長
大前 忠行   住友化学工業㈱ 千葉研究所
山口 登    住友化学工業㈱ 千葉研究所
森田 英夫   旭化成工業(株) 合成ゴム研究開発部
相部 博史   荒川化学工業(株) 研究所
矢崎 文彦   工学院大学 機械系学科
雪岡 聡    東ソー(株) 高分子研究所


   構成および内容

1 相溶化剤の開発とビジネスチャンス        浅井治海
 1.1 はじめに
 1.2 相溶化技術
 1.3 相溶化剤の開発
 1.4 米国の相溶化剤の市場規模
 1.5 相溶化剤のビジネスチャンス

2 相溶化剤の分類と相構造形成            秋山三郎
 2.1 はじめに
 2.2 相溶化剤の分類と化学構造
 2.3 相溶化剤を用いた相構造形成の実例
 2.4 おわりに

3 マクロアゾ開始剤による相溶化剤         上田 明
 3.1 はじめに
 3.2 ブロック共重合体の合成機構
 3.3 MAIの合成と性質
 3.4 ブロック共重合体の種類
 3.5 ブロック共重合体の分子設計
 3.6 ブロック共重合体の相溶化剤としての応用
 3.7 おわりに

4 枝分れ高分子の機能設計             川上雄資
 4.1 はじめに
 4.2 グラフト共重合体の一般的合成法の例
 4.3 マクロモノマー法によるグラフト共重合体
 4.4 枝分れ高分子の機能
 4.5 側鎖型液晶性高分子

5 イオン的相互作用による相溶化          山下晋三
 5.1 はじめに
 5.2 官能基間相互作用による相溶化
 5.3 共架橋による相溶化
 5.4 酸一塩基相互作用による相溶化
 5.5 アイオノマー形成による相溶化
 5.6 アイオネン形成による相溶化
 5.7 おわりに

6 非反応型相溶化剤                大村 博
 6.1 はじめに
 6.2 相溶化剤について
 6.3 非反応型相溶化剤の種類
 6.4 グラフトおよびブロックコポリマーの構造と
    相溶化剤の関係
 6.5 おわりに

7 反応性相溶化剤、改質剤             山本 隆
 7.1 反応性の相溶化剤、改質剤
 7.2 反応性相溶化剤、改質剤の用法
 7.3 内外の反応性相溶化剤、改質剤
 7.4 ポリマーの相溶化、改質の実例

8 反応性エチレンコポリマー
ボンドファースト ボンダイン・       大前忠行、山口登
 8.1 はじめに
 8.2 反応性エチレンコポリマーの特長
 8.3 ボンドファースト 代表グレードと反応性
 8.4 ボンダイン 代表グレードと反応性
 8.5 各種エンプラに対する耐衝撃性改良効果
 8.6 各種エンプラアロイに対する相溶化剤効果
 8.7 樹脂改質への展開事例

9 SEB系熱可塑性エラストマー「タフテック」   森田英夫
 9.1 「タフテック」とは
 9.2 「タフテック」によるPPの改質
 9.3 「タフテック」によるナイロン6の改質
 9.4 SEB系エラストマーを相溶化剤とする日本特許
 9.5 樹脂リサイクル改質剤としての応用

10 スチレン系相溶化剤               相部博史
 10.1 はじめに
 10.2 St系相溶化剤の種類と性状
 10.3 相溶化機構について
 10.4 相溶化剤の評価例
 10.5 その他ポリマーアロイへの適用
 10.6 おわりに

11 相溶化効果に対する評価技術
 11.1 電子顕微鏡による観察技術          矢崎文彦
  11.1.1 ポリマーブレンドの基本的問題およびその評価手法
  11.1.2 顕微鏡によるドメインサイズの観察
  11.1.3 TEMの原理、ブレンド物の測定試料作成法、
    および応用例
  11.1.4 SEMの測定原理、ブレンド物の試料の作成法、
    および応用例
 11.2 エリプソメトリーによる界面の評価      雪岡 聡
  11.2.1 はじめに
  11.2.2 エリプソメトリーによる界面厚みの評価
  11.2.3 相溶系高分子の界面-相互拡散-
  11.2.4 非相溶系高分子の界面-平衡界面-
  11.2.5 反応系高分子の界面
  11.2.6 おわりに
 
12 相溶化剤とプラスチックのリサイクル       秋山三郎
 12.1 はじめに
 12.2 リサイクルの概念
 12.3 ブレンドに相溶化剤を用いた実例と効果
 12.4 おわりに

13 ポリマーアロイ用相溶化剤の市場動向  シーエムシー編集部
 13.1 ポリマーアロイに見る最近の動向
 13.2 ポリマーアロイ製造における相溶化技術
 13.3 ポリマーアロイ用相溶化剤の市場規模

14 海外における相溶化剤の開発・事業化動向     浅井治海
 14.1 海外の相溶化剤
 14.2 各社の動き

内容説明

本書は、相溶化剤の「技術的課題と展望」「開発と実際展開」「評価技術」「リサイクル」「市場」「海外動向」等についてまとめ、全体の動向が把握できるように編集されている。

目次

相溶化剤の開発とビジネスチャンス
相容化剤の分類と相構造形成
マクロアゾ開始剤による相溶化剤
枝分れ高分子の機能設計
イオン的相互作用による相溶化
非反応型相溶化剤
反応性相溶化剤、改質剤
反応性エチレンコポリマーボンドファースト、ボンダイン
SEB系熱可塑性エラストマー「タフテック」
スチレン系相溶化剤〔ほか〕

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