出版社内容情報
明治初め「征韓論」という朝鮮人への侮辱政策に反対し、アイヌ弾圧政策をただし、新政府に「建白書」を出し、抗議の諫死を遂げた、たった一人の知識人がいた。西郷隆盛の盟友で、悲劇の初代文相森有礼の兄でもあった横山安武の知られざる生き様を描く歴史物語。
「対朝鮮とのかかわりの中で、今なお正視すべきはあの国是の如きかつての『征韓論』である。またこれを行動として実現してしまった『韓国併合』とその消えぬ波紋のことである。けれども、こうした日本人としてまことに恥ずべき思想や行動を可(よし)とせず、抗議の諫死を遂げた人物が、たった一人存在していたのは、なんという救いであったろう。その人物こそ草奔の士で、西郷隆盛と生き方としては対等の関係にあった横山安武である。彼はわが国最初の内閣総理大臣伊藤博文の初代文相森有礼の兄でもあった。」(本書「あとがき」より)
内容説明
明治新政府に「征韓論」反対の「建白書」を出し、抗議の諌死を遂げた、たった一人の知識人がいた!西郷隆盛の友で、初代文相森有礼の兄の知られざる生き様を描く。
目次
第1部 森有礼の兄(森家の人々;弟、森有礼の留学;兄弟の膳箱 ほか)
第2部 西郷と横山安武(三条実美を口説く西郷隆盛;隆盛と安武の交情;二人の気魄 ほか)
第3部 征韓論・新政府に異議あり(義の道;征韓許すまじ;横山安武と佐田白茅 ほか)