出版社内容情報
連合赤軍事件はなぜ起こったのか? 女性リーダーが、自らの生いたち、学生運動から革命運動への道、共産主義化と同志殺害、逮捕後の苛酷な取り調べ、長期間にわたる裁判、闘病生活等を、獄中から描く手記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみふむ
9
人の弱みを引きだすだけの「総括」追求と惨い処刑シーンには何度も気持が悪くなった。事実経過を詳細に再現している点は評価できるが、永田氏の謝罪が薄っぺらい感じがする。人間としての情ではなく理論的に謝罪しようとしているからだろう。狭い観念と我田引水的な屁理屈で自爆していった集団、その功罪はあまりにも大きすぎた。2011/06/18
雨猫
5
ひどい。あそこで何が起こったのか、細かに知ることは出来るが。そんなつもりじゃなかったという筆者の言葉が結局より残酷な結果を招く。ハンナ・アーレントの言葉はこの時はなかったのか???2019/01/23
中書島
4
連合赤軍はオウムによく似ている。 あちらは人類救済で、こちらは人民解放。 殺人を敗北死やポアなどと意味づけて、自分たちを安心・納得させているところもそっくりだ。 永田もあとがきで書いているけど、組織に現実的な目的を定めずに「共産主義化」という実体のないものを振り回しているから、現実から乖離しても歯止めがかからないのだろう。2011/12/08
emi
4
文章力は感じられないがこの本の善し悪しを決める点ではなく、ここまで再現している事は凄い。途中、著者はACではないか?とすら感じた。川島氏、森氏と「乗り移り」をし、思考停止し評価される為に行動する。結婚すら革命の為だと感情ではなく、理屈で決めて行く。反省の言葉もあるが、人間らしさは私には感じられない。著者は死ぬまでに「総括」する事が出来たのだろうか?坂口氏にいう「本当はあたなが好きなのよ。」にだけ、人間らしさを感じた。読後、疑問に感じる点も多く他の書籍も読み、学生運動が何故起きたのか?追っていきたい。2011/05/04
belier
3
凄惨さはおいとく。永田を、影響を与えた男の受け売りばかりのチェーホフ「可愛い女」にたとえた識者がいた。その面はあるが、村田沙耶香の「コンビニ人間」を思い出した。他愛無い女性同士の会話よりコンビニでマニュアル通りの仕事をしている方が落ち着く女性。永田は一般社会で生きるより、極左の党の論理に従って生きるほうが心地よい『党派人間』だ。本音を語ってないという評もある。たしかに嫉妬や支配欲などドロドロした感情に目を向けていない。つまりカズオ・イシグロが得意な『信頼できない語り手』。たぶん無意識的。考えさせられた。2020/07/20
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