内容説明
「漢字」の生い立ちを知る。「日本語」の奥深さを愉しむ。普段、なにげなく目にしている漢字や日本語。これらは日本の歴史の中でどう発展してきたのか。書家・日本語学者がさまざまな角度から教える、「文字」の世界。
目次
第1章 漢字の伝来から日本の文字文化へ(基調講演より)(書家の目で見た日本の文字文化;「漢委奴國王」の金印と貸泉 ほか)
第2章 日本語と文字―日本語はどのように記されてきたのか(日本語に固有の文字はなかった;漢字から万葉仮名へ ほか)
第3章 漢文訓読と日本語(平安・鎌倉時代の訓点資料;漢文訓読が日本語に与えた影響 ほか)
第4章 文字はどこを向いているか―日本語の文字の知られざる世界(「文字列展開方向」ルールがなければ文字は読めない;失われた「文字列展開方向」ルール―肖像画・人物画の場合 ほか)
第5章 国語施策としての漢字表の意味(常用漢字表は必要なのか;漢字表の歴史を知る ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみ乃や文屋
0
書名に「風景」と入れ込まれているのは、時が経てば風景は変るように、文字も時代を観察すると変るという意味を含んでいるのかもしれない。書画も作品として風景たり得るわけであって、当たらずとも遠からずかな、と思う。さて、本書は書を巻頭持ってきて、文字史・表記史を時代を追いかけるように組まれているので通読してもいいし、書中の記もあるが、それぞれ気になる部分を摘出読みしてもいい。気軽に読める一冊です。2017/11/17
インテリ金ちゃん
0
漢字(漢音、呉音、訓読み)、万葉仮名、変体仮名、平仮名、片仮名、旧仮名遣い、常用漢字などが系統的に概観できた。2019/05/02