目次
第1編 構図の基本型(シンメトリー型―威厳・神聖・伝統を表す;シンメトリー崩し型―優しく穏やかな自然さを表す ほか)
第2編 構図の組み立て(版面率―低くすると静かな情緒を表す;情報量―多は賑やかな活気を表す ほか)
第3編 主役を引き立てる(中央に・大きく・強く―主役を強める正攻法;敵役をカット―主役が強くなる ほか)
第4編 人体のメッセージ(相思と対決の視線―交差は相思を表す;誘導する視線―始まりと受けで完結する ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
24
名画がなぜ名画たり得るのか、感覚的に「好し」見ていたものの言語化。なあーんだ、分かってるわって、しかしそれに気づかなければ一生の不覚。 その気づきのための、構図や背景、距離感、人物の配置、追加や省略という、原画にコラージュをして、その「良さ」を示す。驚くことに抽象化された現代絵画も紹介する。たしかにモナリザの背景がお花畑であれば名画たり得ないだろうが 多少強引な感も。構図やらはともかく、その空気感に、ミレーの「羊飼いの少女」は気に入りました。2021/12/04
ヒロミ
20
私も趣味で絵を描いているのですが、いつも三角構図ばかり多用していてマンネリだったのでキチンと絵画の構図を知りたいな〜と思い読みました。初心者にもわかりやすく名画の鑑賞と構図を知ることができます。ちょっと内容の浅さを感じないでもないけれど、コンパクトだしオールカラーなので眺めていて楽しい本です。革新的な画風のピカソが安定感のある構図ばかり用いていたというのが意外でした。もっと日本画の構図も取り上げてほしかったです。2015/06/22
G-dark
13
世界中の名画に似せて、けれど絵のモチーフの配置や背景や色調などを変えたものをa。オリジナルそのままのものをb。として、aとbの違いを見比べようという本です。例えば、P12~13で紹介されている、葛飾北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』。リアルな波の高さってあんまり高くないよね、高くってもこの程度だよね、と言わんばかりのa。どうだーっ!!富士山より超特大の波をしかと目に焼き付けよ!!と言わんばかりに波の高さを高ーくデフォルメしたb。見比べるとbの方が断然迫力があります。平凡な絵と名画の違いがよく分かる一冊。2016/06/08
ゆい
13
面白い!!!!今まで構図の勉強をしながらも「きっとこちらが深読みしているだけで、実際は作家が適当に描いているだけ」と疑っていたのですが、そうでもなさそうと思えた本。名画は名画であるべくして、という感じ。まあまだ誰々の作品と言う先入観がないと見られないけど!とっても楽しい!2014/12/13
viola
12
『配色の基本』のほうも良かったのですが、構図もいいですね~! 構図ってむずかしそーなイメージがありましたが、具体的に、しっかりと視覚的に表してくれるので文句なしに分かりやすいです。そして、ちっとも分かってないのに「どっちがいい?」と聞かれると、どう見たってあの名作のほうがいいに決まってる。人間ってもともと芸術を、美術を愛するようにできてるのかな・・・・とまで思ってしまいました。 配色でもそうでしたが、ゴッホやミレーあたりが特に「!!!」な感じでした。 お勧めです。2011/01/06
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- 和書
- 妻恋坂 文春文庫