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文化とまちづくり叢書
文化財の価値を評価する―景観・観光・まちづくり

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  • サイズ A5判/ページ数 203p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784880652696
  • NDC分類 709.1
  • Cコード C3000

出版社内容情報

市場に現れない文化財の価値を適切に評価する試み。受益者と便益の規模を推測し、文化財保護のコストを算出することが観光資源のさらなる価値を生み出し、地域の発展につながる。

文化財とは、それぞれの時代に創造された新たな価値が、長い時を経て社会的な認知を受け、地域や社会にとって貴重な資産となったものである。また文化財には、歴史的・文化的価値などの公益的側面があり、その価値を維持し高めていくために継続的に公的な支援が必要である。しかし限りある財源から、文化財の価値を維持するためには、文化財が持つ便益の種類や受益者を特定し、維持、保存することによって得られる便益を推測しながら、適切で持続的な支援のシステムの構築が不可欠である。
そしてそのためには文化財の価値の評価手法が重要となる。

本書では第一の目的として、文化財の市場に現れない価値をはかるために、文化財保護の受益者と、その便益の規模をできるだけ客観的に定量的に推定してゆく。
第二の目的として、地域作りと文化財保護の新たな関係性を焦点にあてる。町並み、歴史的建造物、伝統工芸品、舞台芸術など、多様な文化財を単に支援を受ける一方的なものととらえず、地域づくりに活用するための前提として、人々が何を求めているのか実態に迫る。
第三の目的として、文化財のより持続的な保護のあり方と市場からの資源の調達の可能性について考察し、できれば制度論につなげてゆこうというものである。

本書は8年をかけ調査・検討を試み、事例研究をまとめたものであり、文化財保護に関わる実務者、研究者、自治体関係者必読の1冊です。

第一章 文化財保護と地域づくり
第二章 富山県五箇山CVM調査から
第三章 広島県宮島
第四章 岐阜県高山市の文化的景観
第五章 滋賀県長浜市コンジョイント分析から
第六章 総括

【著者紹介】
政策研究大学院大学 文化政策プログラム 教授、プログラム・ディレクター。東京大学法学士、シドニー大学経済学修士、東京大学工学博士。文部省入省後、文化庁文化政策室長、一橋大学教授などを経て、2004年より現職。パリ大学、トリノILOセンターなどで教鞭を執るほか、国土審議会政策部会委員など。著書に『文化財政策概論』(共著、東海大学出版会)、『文化的景観を評価する』(水曜社)、『フランスの文化政策』(監訳・水曜社)など。2002年度日本都市計画学会論文奨励賞受賞、2009年度計画行政学会論文賞受賞。

内容説明

市場に現れてこない価値や、文化財の周辺で生じてくる価値も含めて、どの程度かを推定することができれば、こういった様々な利害関係を適切に把握し、どの程度の規模の支援が必要なのか、あるいは妥当なのかがわかるのではないだろうか。さらに、便益の種類や受益者を特定できれば、より適切かつ持続的な支援のシステムを考察できるであろう。もちろん、文化財が持つ固有の価値そのものは、直接計測することは困難である。しかしながら、この価値を維持、保存することによって得られる便益を、何らかの形で推測することができないだろうか。この試みが本書の各事例研究である。

目次

第1章 文化財保護と地域づくり
第2章 富山県五箇山CVM調査から
第3章 広島県宮島
第4章 岐阜県高山市の文化的景観
第5章 滋賀県長浜市コンジョイント分析から
第6章 総括

著者等紹介

垣内恵美子[カキウチエミコ]
政策研究大学院大学教授。東京大学法学士、シドニー大学経済学修士、東京大学工学博士。文部省入省後、文化庁文化政策室長、一橋大学教授などを経て、2004年より現職。パリ大学、トリノILOセンターなどで教鞭を執るほか、国土審議会政策部会委員など。2009年度計画行政学会論文賞受賞

岩本博幸[イワモトヒロユキ]
東京農業大学准教授。北海道大学大学院修了。農学博士。政策研究大学院大学助手を経て現職。専門は、農業経済学、環境経済学。主たる研究分野は、政策評価手法の開発

氏家清和[ウジイエキヨカズ]
筑波大学助教。筑波大学大学院修了。農学博士。政策研究大学院大学助手、東京大学助教を経て現職。専門は、農業経済学。主たる研究分野は、消費行動分析

奥山忠裕[オクヤマタダヒロ]
長崎県立大学講師。東北大学大学院修了。経済学博士。政策研究大学院大学研究助手、運輸政策研究所研究員を経て現職。専門は、環境経済学、公共政策。主たる研究分野は、政策評価

児玉剛史[コダマヨシフミ]
宇都宮大学准教授。京都大学大学院修了。農学博士。専門は、農業経済学。主たる研究分野は、食料経済分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Junpei Ishii

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史跡や建造物などの整備の際に問題となるコストパフォーマンスの問題。 文化財の価値は必ずしも市場経済的な投資と資金の回収という視点だけで語れない部分が多く、逆に言うと遺跡の価値は非常に主観的に語られることが多い。 しかし文化財の立地や周辺の住民数、観光客数などから遺跡のもつ客観的な利用価値には厳然とした差があることも事実である。 「文化財の価値を貨幣に換算する」という行為に抵抗はあるかもしれないが、より高いレベルでの共通理解をベースに議論を進めるためには貨幣という尺度を利用して、文化財の価値を客観視する2012/09/29

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