内容説明
渡し守の息子リエンは、おさななじみの美しい娘チュンファンと結婚したいと思っていました。でもチュンファンの父親は、娘を領主さまと結婚させるため、リエンをだまして村を出て行かせます。がっかりしたリエンは、くるったように舟をこいで川を下って行きました。やがて日は暮れ、リエンが川の土手で野宿の準備をしていると、やみの中を飛ぶように走ってくる白い人影が…むかしの中国に伝わる、ふしぎなふしぎな物語です。
著者等紹介
ハーン,ラフカディオ[ハーン,ラフカディオ][Hearn,Lafcadio]
ギリシアに生まれ、幼少期はイギリス、アイルランド、フランスで過ごした。1891年に来日してからは日本の文化・文学・歴史に深い興味を示した。その中で著した代表作に「怪談」「中国怪談集」がある
太田大八[オオタダイハチ]
1918年生まれ。多摩美術学校卒業後、1949年に「うさぎときつねのちえくらべ」(羽田書店)でデビュー。以来、半世紀にわたり第一線の絵本画家として活躍し、日本童画家賞、小学館絵画賞、モービル児童文化賞などを受賞している。繊細な描写と独特の色彩で、水彩画から油絵まで多彩な画風で人気を博している
さいとうゆうこ[サイトウユウコ]
島根県生まれ。大学卒業後、約10年に渡り世界各国を旅した。帰国後、文筆活動を開始
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感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
中国の昔話。渡し守の息子リエンと、裕福な家の娘チュンファンは乳兄弟。二人は好き合っているが、チュンファンを領主と結婚させたいと願う父にだまされ、リエンは村を出ていくことに。リエンの後を追うチュンファン、二人は遠い村で結婚し幸せに暮らしましたが、今の幸せを報告しようと実家のある村に戻ると…。なんとも不思議で幻想的なおはなしでした。ラフカディオ・ハーンさんは怪談のおはなしが多いので、これも怪談になるのかしら?全く怖さはなく、愛情の深さを感じる絵本でした。2020/06/10
ヒラP@ehon.gohon
13
なんとも不思議で幻想的なお話です。 乳呑兄妹のリエンとチュンファンの愛は、貧富を乗り越え、体の実態を乗り越え、家庭を築いたのですが、それが夢だなんて信じられない展開でした。 ラフカディオ・ハーンには、こんなロマンチックなお話もあるのですね。 中国に舞台にした、うっとりするお話でした。2018/09/26
読み人知らず
2
へええ。不思議な話。幽霊でもなく、実体があって子供まで作っているのに。ハッピーエンドだけどこれは不思議。さすがハーンくんが作った話だわ。2010/02/14
藤原湾
0
オチにはなんじゃそれと思いましたが、幼なじみがどうなっていくか気になりさくさく読めました。2010/11/28