内容説明
おおきなあかいかべがありました。いつからなのかどうしてなのかだれもしりませんでした。ちいさいねずみはおもいました。「かべのむこうになにがあるんだろう?」
著者等紹介
テッケントラップ,ブリッタ[テッケントラップ,ブリッタ] [Teckentrup,Britta]
ドイツのハンブルクで生まれる。ロンドンのセントマーティンズ・カレッジおよびロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、絵本作家として活躍。テキスタイルや雑貨などのデザインも注目されている。ベルリン在住
風木一人[カゼキカズヒト]
東京生まれ。絵本作家・翻訳家。WEBマガジン「ホテル暴風雨」運営中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
202
壁の向こうにある世界を知ってしまっていいのだろうか。守られている世界から先へ進む必要はない。ほとんどの人は平和を愛しているのに、残酷な世界は未だに存在しているのだから。…生まれたときからそこにあるものは、なぜか自然と受け入れる。あるものはある。だからそれでいいと。…少しの気づきと勇気が、より豊かな世界へ連れてゆく。振り返ると壁は消えているだろう。しかし、少し進むとさっきより少し高い壁が目の前にある。…どんな道を歩むかは、人それぞれ違う。歩みを止めることもある。一緒に歩むときもある。道が続く限り、壁も続く。2022/02/20
MI
95
大きな赤いかべがあり、どこまでも続いていました。ねずみはこのかべの向こうに何があるのか気になって、いろんな動物に尋ねてまわりました。ある動物はかべの向こうには闇しかないもといい、昔からあるからあるのがあたりまえ。気にしない方が幸せだと答えた動物がいた。そして鳥がやってきて、とりにかべの向こうまで乗せて欲しいとお願いした。この絵本かべをテーマにしているが、人間の問題のかべにも当てはまる。読みてにとって受け取り方に余白がありとても面白かった。2023/08/31
モリー
72
赤くて高い壁に囲まれた町が舞台です。一匹のネズミが仲間たちに問いかけます。「壁はいつから、なんのためにあるの?」と。鳥の背に乗り、壁の外の世界を見たネズミは元の場所に戻るときに気づきます。壁がないという事に。壁は、自分の心が生み出した思い込みの産物だったのです。私たちは、自分の心が生み出した幻の壁の内側に閉じこもりがちです。外の世界に目を向けようとせず、仲間内だけで分かり合えばよいと考えがちです。あるいは、年老いて、世界に目を向けようともしなくなるかもしれません。壁を取り払い心の扉を開こう。世界は美しい。2019/12/12
yomineko@ヴィタリにゃん
58
壁の向こうの世界は怖いらしい。だけど、勇気を出して乗り越えてみると、そこは夢の世界だった✨✨✨怖いと思うから怖いと鳥は言う。そして、よく見るとなんと壁がない!「そう、初めから壁なんてなかったのさ!」壁は恐怖の産物かも知れない。2024/04/06
☆よいこ
51
ライオンが最後まで残るところが悲しい。でもいつかは...。希望のもてるラストでよかった。2019/07/20