内容説明
都内のマンションの一室に住む占い師、藤尾雛姫のもとに、変わった来客が相次いでいた。彼らには一様に雛姫が占いをするときの「アイリーン」という名を知ってやってきたと言い、しかし自分の探している「アイリーン」は雛姫ではないという。彼らに優しい言葉をかけ、癒したという謎の女性「アイリーン」を見つけ出す事を何人かの客から求められ、そのうちの一人に再び「アイリーン」と出会える可能性を見出した時、雛姫はもう一人の「アイリーン」を探すことを決意する。雛姫の両親はすでに他界し、残された姉との家族関係も崩壊していた。雛姫は「アイリーン」を探しながら、最も癒される必要を感じているのは自分自身なのだということに気付き始める。そして、とあるホテルのティーサロンで「アイリーン」との出会いの時はやってきた。
著者等紹介
篠原一[シノハラハジメ]
1976年生まれ。立教大学大学院在学中。1993年「壊音KAI‐ON」で文学界新人賞受賞
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感想・レビュー
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小夜千鳥
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苦悩しているはずの主人公の内省が描かれていないのが物足りなさにつながっていると思う。または内省しない人物であるという設定なのかもしれないけれど。舞台にもいくつか違和感のある部分があり、瑣末なそれらに気を取られて純粋に物語として読めなかったのが残念。2012/07/25
浅葉
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図書館
4545
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文學界新人賞を受賞したデビュー作「壊音」に衝撃を受けたのは、10年以上前のことか。「アイリーン」も、まあまあ面白かった。まぁこういう終わり方もありかな、と言うことで。2006/10/17
章ちゃん下痢漏らしてビチクソビッチくっせえ!!
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パソコン雑誌『ASCII』の連載小説を純文学の新人賞の候補にまで持ってこさせた恐らく最初で最後の画期的な作品。 読んだけど、実際会ったアイリーンは別に特別でも何でもなく普通の占い師でしたと言うオチで、主人公を励まして、主人公はそれで由としよう、前を向いていこうで終わった気がする。2025/10/05