出版社内容情報
“CIAのドンはなぜ天皇を守ろうとしたのか” 祖父と叔父、兄が国務長官の家系に生まれ、生涯インテリジェンスに生きた男。戦時中、日独に対し秘密工作を展開した元CIA長官を新資料多数で描く日本初の評伝
有馬 哲夫[アリマ テツオ]
著・文・その他
内容説明
対日終戦工作で大統領と対峙した元CIA長官の正体。時は1945年、終戦を画策する日本人との息づまる交渉。原爆投下に最後まで反対した男の真意。スパイ小説より興奮するノンフィクション大作。新資料を駆使してインテリジェンスの奥義を描く。
目次
知られざるその実像
国務長官を夢見て
グルーとともに
弁護士から情報の道へ
ナチスの原爆と新情報機関
OSSベルン支局
マンハッタン計画と「アズサ工作」
「サンライズ作戦」―ドイツ軍無血降伏の真相
ヤルタ協定空文化工作
スイスの日本人たち
原爆投下と終戦
それぞれの戦後
著者等紹介
有馬哲夫[アリマテツオ]
1953年生まれ。77年早稲田大学第一文学部卒業。84年東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得。93年ミズーリ大学客員教授。2005年メリーランド大学客員研究員。現在、早稲田大学社会科学部・大学院社会科学研究科教授(メディア論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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父帰る
5
CIA長官を勤めたアレン・ダレスの生涯を綴った本。本の前半は対日関連は殆ど出てこない。やはり、この本の一番の山は後半部分の対日終戦工作だ。そのインテルジェンスの地はスイスだ。この工作には日本の外交官、経済人、軍人等が関わり、アレンの大きな力になっている。原爆投下決定に至る過程に紆余曲折があったことも分かった。天皇制存置に対して、アメリカ側に理解者が多かったのは幸いした。また、この本は初期の占領政策に軌道修正を加えたのがアレンに関わる人々であることも指摘。最後に、親日派のグルーの活躍は勿論である。2015/12/27
sasha
3
スパイの親玉・CIA長官。日本への原爆投下に反対し、戦後の対ソ連を見据えて日本の天皇制維持を主張した人。アレンの絶頂期で終わっているのは仕方ないのかな。戦後はピッグス湾事件を始め、失敗の山だものな。これはこれでいいのかもしれない。ただ、生涯、日本への原爆投下の正当性を主張したトルーマン大統領には殺意が湧いたわ。2014/09/07
キミ兄
0
アレン・ダレスがWW2中に欧州で対日工作を行っていた話。これはこれで一つの事実。☆☆☆☆。2009/11/11
COPY
0
☆☆2010/01/26
いくちゃん
0
第二次世界大戦の終戦工作を扱ったもの。特に日本への終戦工作で生き詰まる情報戦は読みごたえがあった。2020/05/20