内容説明
戦後40年以上にわたって、社会主義体制を維持してきた東欧諸国の「革命」とは、いったいどのような歴史過程を経て起こったのか。そしてその行く末は?民衆運動の視点を軸に、最新のデータと精密な分析によって描き出す。東欧革命の全貌。
目次
第1章 東欧の革命―体制転換への模索
第2章 東欧の社会主義体制と反体制運動(体制改革の歴史と現在―社会主義世界のダイナミズム;東欧諸国における体制批判運動;歴史経験としての反乱―社会主義世界の大衆運動)
第3章 ポーランドにおける市民社会の闘い(ポーランド「連帯」運動の思想―1980~81年;ポーランドにおける大学自治―高等教育法改定問題の背景;ポーランドにおける「独立文化」の模索)
第4章 東欧革命の発端―ポーランドとハンガリーの政治改革
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kk
0
著者は、1989-90年に「東欧」で起きた政治変動の数々を「展望なき革命」と評価するが、私は賛同しない。第一に、「東欧革命」を歴史上「革命」と呼ばれる一般的な出来事と比べた際、そう呼ばれるに相応しい出来事なのか、検討が充分にされていない。第二に、多くの「東欧」の事例においては、反体制勢力が思想的あるいは社会文化的に様々な背景を持つ人々によって構成され、必ずしも一枚岩ではなかった可能性が大して考慮されていない。すると、これを在野勢力の「展望」のなさとして一蹴してしまうのは議論としては少々乱暴ではなかろうか。2013/12/01