この社会の歪みについて―自閉する青年、疲弊する大人

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  • サイズ B6判/ページ数 127p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784877585006
  • NDC分類 304
  • Cコード C0036

内容説明

ニート、フリーターは気付いている。「正社員になれば、待っているのは奴隷労働だ」。比較文化精神医学者の、最も新しい社会分析。

目次

想像力を働かせるために、知識はある
「平和学は恋愛学です」
皆の感情が、貧困化している
「ひとりっ子的」育ちかた
「自閉の遊び」
子どもの情報化
内面と外面で分裂する、若者たち
二つの世界を無意識に使い分ける
現状を追認するメンタリティ
「キレる」というスタイルは、時代的なもの〔ほか〕

著者等紹介

野田正彰[ノダマサアキ]
1944年、高知県生まれ。北海道大学医学部卒業。長浜赤十字病院精神科部長、神戸市外国語大学教授などを経て、現在は関西学院大学教授、評論家。専攻は、比較文化精神医学。主な著書に、『コンピュータ新人類の研究』(文芸春秋、大宅荘一ノンフィクション賞)『喪の途上にて』(岩波書店、講談社ノンフィクション賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

17
俗流日本左派的社会論だが、やさしい語り口で日本の「疲労」に焦点を当てているため読むとスカッとはできる。薄いので数十分でよめるのもいい。ステレオタイプな部分も多いが、今の社会が「苦痛と不安」を駆動原として働いていて、異常なまでに皆過酷な労働や危機感に磨耗しているのがおかしいとはっきり言っている点は評価できる。また、この手の著者には珍しく、やりがい中心のボランティアがはびこるのを「きちんと能力を持つ人が社会に組み込まれていないということ」と苦言を呈しているのもよし2014/03/14

かやん

1
内容がとても分かりやすくてページ数は少ないですが中身はぎっしりつまっていて、読む価値ありです。娘達若い世代の情報に埋もれる脆弱な若者像には頷かされました。自分のキャラをつくり、本音を出さず、ぶつからず争わず喧嘩せず…内面にためたイライラはキレるというかたちで突如噴出し周りも容認している…なんておそろしい…。締めくくり「人は人との関わりが全てで」救われます。娘にも読ませたい一冊。2013/01/15

まろすけ

0
質的には満足。⚫︎摩擦回避のために、内面を隠し上手く適応する表層的関わりと、自閉的な空想世界へののめり込りという二面的な生き方をする若者。この二つの世界を壊し一つの人格として統合しなければならない。⚫︎日本の権力者は危機感をいかに煽るかによって地位を獲得している。そんな歴史に押され私たちは不安がないと生きられなくなった。⚫︎もっと読者と『会話』を(芸術を通して人間的な交流を)。今の若い作家の小説はほとんどが、風俗をいかに上手にカットしデザインするか、を目指してしまっているよう。・・など。✴︎断片メモ✴︎2016/02/05

Honnomushi 年間100冊 shibari

0
「どれくらいの人びとが、社会全体が疲れているのか、みな無自覚です」→全くその通りだと思います。2019/11/03

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