内容説明
人間の意識の在り方(実存)を精緻に分析し、存在と無の弁証法を問い究めた、サルトルの哲学的主著。根源的な選択を見出すための実存的精神分析、人間の絶対的自由の提唱など、世界に与えた影響は計り知れない。フッサールの現象学的方法とハイデッガーの現存在分析のアプローチに依りながら、ヘーゲルの「即自」と「対自」を、事物の存在と意識の存在と解釈し、実存を捉える。20世紀フランス哲学の古典として、また、さまざまな現代思想の源流とも位置づけられる不朽の名著。1巻は、「即自」と「対自」が峻別される緒論から、「対自」としての意識の基本的在り方が論じられる第二部までを収録。
目次
緒論 存在の探求
第1部 無の問題(否定の起源;自己欺瞞)
第2部 対自存在(対自の直接的構造;時間性;超越)
著者等紹介
サルトル,ジャン=ポール[サルトル,ジャンポール][Sartre,Jean‐Paul]
1905‐1980年。パリに生まれ、高等師範学校に学び、哲学の教授資格を取得。1930年代から独自に現象学を研究し、『自我の超越性』『想像力』『情動論粗描』などを発表。その現象学的総決算が、『存在と無』(1943年刊)である。戦後教壇を去り、「実存主義はヒューマニズムか」と題する講演で一躍マスコミの脚光を浴び、実存主義ブームを巻き起こす。在野の知識人として、小説、文学評論、政治論文と幅広い執筆活動を行う。1964年にはノーベル文学賞を辞退。彼の葬儀には何万人という市民が参集した
松浪信三郎[マツナミシンザブロウ]
1913‐1989年。早稲田大学大学院哲学科修了。1957‐1984年早稲田大学で教鞭を執る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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