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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akuragitatata
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明治期の小説を対象にして「ノベル」がなぜ読むに値する本になっていったのかを考察する前章と、作品論の後章による本。前後の連絡が今ひとつ不明瞭なのだけれど、坪内逍遥の文学観だけではなく、同時代の雑書(雑誌?)類の分析を通じて「ノベル」の地位にゆらぎがあることを論じたのは面白く思った。一方で、絵画論でも似たような議論はあったはずで、「近代小説」の問題を「近代」の問題に格上げし損なってしまったように感じた。『浮雲』論などは読んでいて、ああ、文学が好きな人の論じかただなぁって。なんかそういう特別感を感じた(小学生風2017/07/23