内容説明
サツマイモ、プデチゲ、インスタントラーメン、トッポッキ、フライドチキン…甘くて辛くて、少し苦くてしょっぱい韓国の“おいしい”物語。朝鮮戦争、軍事独裁政権、民主化闘争、IMF金融危機…それぞれの困難な時代に韓国の人びとの「底力」となった“食べもの”をめぐるYA小説5篇!
著者等紹介
キムソヨン[キムソヨン]
金昭妍。1972年ソウル生まれ。児童・青少年文学作家。2005年、中篇「花ぐつ」で月刊『オリニトンサン』童話公募・最優秀賞受賞。07年、出版社チャンビの「すぐれた子どもの本」公募でYA小説『ミョンヘ』(2021年に影書房より邦訳出版)が創作部門大賞を受賞。ソウル文化財団、京畿文化財団支援芸術人に選定された
下橋美和[シモハシミワ]
1971年京都生まれ。現在、京都大学、同志社大学非常勤講師(日本語)。登録日本語教員。3年間の韓国滞在から帰国した1997年からオリニほんやく会(韓国児童文学の翻訳会、主宰・仲村修)に参加。大阪外国語大学(現・大阪大学)言語社会研究科国際言語社会専攻、日本コース博士前期課程修了。修士(言語文化学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なにょう
12
韓国の食べ物を通して見る現代史。朝鮮戦争下、命からがら避難するひとびと。そして朝鮮戦争の戦後。更にはソウルオリンピックを控えて。そして、国家が不渡りを出す寸前となったIMFによる韓国救済の時期。韓国が今現在の繁栄を謳歌するのは、幾多の困難を乗り超えてきたからであるだろう。ある登場人物がいう。どんな危機にも突破口があると。そんな姿勢が大事だ。★男の喧嘩より女の喧嘩の方が怖い。日本でも派手にやり合わないだけで女の争いは怖い。2025/12/06
mame
6
近くて遠い国、韓国。文化や人間性に、日本との大きな違いを感じた。割りを食うのは、いつも小庶民、というのはどこも同じだけども。トッポッキ、美味しそう。2025/12/12
鹿ノ子
6
韓国の10年ごとの現代史を食べ物を絡めて描き出した短編集。あまりよく知らなかった隣国の歴史を庶民の視点で知ることができて良かった。何度理不尽な目に遭って虐げられても、何度も立ち上がってきた彼らの強さの根底にはやっぱり「ごはんの力」があったんだなぁ。感動的だった。2025/11/21




