内容説明
支援者、家族を激しく揺さぶった死亡事件を引きこもり問題に関わりの深い論者たちが徹底検証。煽り立てるメディアの責任、拡大する支援の産業化、善意という動機のはらむ暴力性など、根深く絡みあった問題の全貌を明るみに出す。
目次
緒論 「善意の道は地獄へ通ずる」ということ
1 アイ・メンタルスクール事件報道の概要
2 予期された事件
3 長田塾裁判で問われていること
4 引きこもり狩り
5 誰の支援か
6 家族と信仰
付録 シンポジウム「アイ・メンタルスクール寮生死亡事件を考える集い」
著者等紹介
芹沢俊介[セリザワシュンスケ]
評論家。1942年東京都生まれ。上智大学経済学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さんた
1
本人が希望しなくとも親の希望に従って部屋から引き出し、強制的に寮生活(個室なし)を送らせる「引き出し屋」で起こった事件に端を発した本。「支援」とは何か、ひきこもることがそもそも悪いことなのかといった根本的な部分への問いかけがないままに、とにかくひきこもっている人を部屋から出せばいいと言わんばかりの行いが「支援」の名の下に行われていたことが怖い。ひきこもっている当人が苦しんでいて、「できることなら外に出たい、働きたい」と考える場合もあれば、そういうではない場合もいるらしい。難しい問題だなぁ…2022/06/01