内容説明
「二キ三スケ」(東条英機、星野直樹、松岡洋右、岸信介、鮎川義介)だけで満洲は語れない。「一ヒコ一サク」(甘粕正彦、河本大作)が隠然たる影響力を行使する。再チャレンジ、前歴ロンダリングも許される自由の天地。「五族協和」の理想を信じた人たちの生と死。既存の満洲国イメージをくつがえす、満洲の土を踏んだ日本人の奇妙にして、真剣なる「昭和史」物語。
目次
昭和十三年秋、小林秀雄が満洲の曠野でこぼした不覚の涙
小林秀雄を満洲に呼んだ男・岡田益吉
「満洲国のゲッベルス」武藤富男が、満映理事長に甘粕正彦を迎える
「満洲の廊下トンビ」小坂正則―その人脈と金脈
八木義徳の芥川賞受賞作「劉廣福」と奉天市鉄西工業地区
直木賞作家・榛葉英治が勤めた大連憲兵隊と満洲国外交部
笠智衆が満映作品「黎明曙光」に殉職警務官役で主演する
十六歳の原節子が、満洲の「新しき土」を踏む
「満蒙放棄論者」石橋湛山の満洲視察
ダイヤモンド社の石山賢吉社長が見たテキパキ「満洲式」〔ほか〕
著者等紹介
平山周吉[ヒラヤマシュウキチ]
昭和27年(1952)東京都生まれ。雑文家。慶応義塾大学文学部国文科卒。出版社で雑誌、書籍の編集に携わってきた。昭和史に関する資料、回想、雑本の類を収集して雑読、積ん読している。『戦争画リターンズ―藤田嗣治とアッツ島の花々』は第34回雑学大賞出版社賞を受賞、『江藤淳は甦える』で第18回小林秀雄賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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