死と乙女

死と乙女

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  • サイズ B6判/ページ数 113p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784875745617
  • NDC分類 932
  • Cコード C0374

内容説明

現代ラテン・アメリカで最も重要な作家であるアリエル・ドーフマンの登場人物3人のストレートプレイ。独裁政権下、学生運動に加わっていたポーリナは、誘拐・監禁され、仲間についての情報を強要され、過酷な拷問を受けた。そしてその時必ず流される音楽がシューベルトの「死と乙女」だった。それから十数年、ポーリナは、かっての仲間であるジェラルドーと結婚している。ジェラルドーは、今は民主化された政権の中枢にあり、かっての独裁政権下の犯罪を裁く立場にいる。ある日、車が途中で故障した夫が、医師ロベルトと名乗る男に送られてくる。そしてその声を聞いたとき、ポーリナに、あの悪夢の記憶が突然蘇る。その声はまさしく、「死と乙女」の音楽の中で、自分の肉体と精神を徹底的に蹂躪した男の声なのだ。かくしてポーリナの復讐が始まる…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nightowl

4
独裁政権下の国で拉致され取り調べ中レイプされたヒロイン:ポーリナ。車のパンクで困っていた夫(歴史調査査問官)のジェラルドーは、或る男に助けられ彼を家へ招く。だがその男は妻をレイプした男だったらしい。怒った妻はとんでもないことを起こす。著者は故郷のチリが同様の政治状態になった後亡命しており、解放後こちらを書くきっかけが生まれたとのこと。現実の歴史に様々な事情から幾分かの幻想を加える、南米文学とは切っても切り離せないマジックリアリズムの意味を漸く理解。なんと「鋼の錬金術師」で有名な朴璐美主演で2018年上演。2018/06/03

サチ

0
そういえば自分はユーラシア大陸側の作家の戯曲ばかり読んでたんだなと。大陸がちがえば戯曲における感情の発露のさせ方も違うものかと。人間一緒なので表現法として知らないわけではないが復讐や恨みがこんなに直球で戯曲になるのはこれはこれで面白い。なかなか激しいし、理屈っぽいなと思ったらまた激しい!みたいな。全てを白日のもとに晒したい残酷さの種類はいつも読んでいた物とはまた違って、でもなかなか感傷的にねちっこいセリフもあったりして興味深い。しかしまあ読んだ感じではジェラルドー演じるひとが一番むずかしいんではないかな…2015/03/06

べる

0
宮沢りえ、堤真一、段田さんのお芝居を観て脚本を読みたくなった。目が離せなくて、辛くて、痛々しくて、かわいそうで、脚本は少し違ったけど、今の時代でも通じる普遍性2019/11/11

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