出版社内容情報
「なぜ、日本の労働者は命を削ってまで働いてしまうのか?」
「なぜ、過労自殺者の遺書には、会社や取引先に迷惑をかけたと謝罪の言葉が連なるのか」
本書はトヨタ・ワタミ・電通など名だたる企業で起こった「過労死」「過労自殺」の事件を題材に、従業員に長時間労働を強い、人格までも改造しようとする日本の企業の構造的暴力と、また、労災死者の慰霊と顕彰を行う八幡製鉄所の慰霊施設を検証し、従業員の死後も企業の論理の中に取り込むメカニズムの解明に挑んだ労作である。
内容説明
逃げろ!そして生き延びろ!「成長」「夢」「成功」「感謝」がこの国の労働者を追いつめる。過労死・過労自殺を生み出す日本社会の文化的要因=「自発的隷従」のメカニズム解明に、経営人類学者が挑んだ。
目次
1 企業戦死への道(不意に死は訪れる;単能労働の呪縛 ほか)
2 企業理念のポエム化(企業理念というポエム;企業博物館というメディア ほか)
3 死に至る服従(「恥」から見る服従;楽園の永住者/楽園からの逃亡者 ほか)
4 奴隷の生を生きる(日本的経営の中の「ジャパニーズ・ビジネスマン」;奴隷の生を生きる)
5 「企業のヤスクニ」幻想からの覚醒(「企業のヤスクニ」幻想のはざまで;言葉に投影される死者/生者の思い)
著者等紹介
金子毅[カネコタケシ]
1962年埼玉県生まれ。聖学院大学准教授、東京大学大学院情報学環客員研究員。専門は民俗学、文化人類学(含、経営人類学)、経済思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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