内容説明
スターリンの恐怖政治の犠牲者は膨大な数にのぼる。1934年の党大会に出席した約2000人の代議員中、1939年の党大会に出席できたのはわずか3%だった。ほとんどが処刑や自殺に追い込まれ、レーニン時代からの高級幹部もその例外ではなかった。その恐怖政治を、ヨーロッパ初の女性閣僚となったフェミニズムの先駆者コロンタイと、ソ連の初代教育大臣となったルナチャルスキーがどのように生き抜いたか?現実にあった“社会主義国家”を照射する一冊。
目次
第1部 コロンタイ(反骨の貴族将軍の目覚めた娘;女性解放、“自由恋愛”は実らず;造反で党の中枢からはずされる;スターリンに“降格”を願い出る;才能と人脈を生かし、名外交官に;現代史の大パノラマの中で;北欧情勢を正しく評価、講和に貢献;重病の中で『回想録』を書き続ける)
第2部 ルナチャルスキー(比類なき博識にレーニンも驚く;貴族の子・少年期に社民運動へ;哲学と宗教で激しい論争へ;レーニンは頑として和解を拒否;業績に不吉な粛清の影が)
コロンタイ関連論文 炎の労働者革命家シリャプニコフ
著者等紹介
鈴木肇[スズキハジメ]
昭和2年東京に生まれる。昭和26年早稲田大学ロシア文学科を卒業し、産経新聞社に入社。外信部でソ連問題を担当(在社は平成2年まで)。昭和41~44年モスクワ支局長。昭和56~62年ふたたびモスクワ支局長。昭和63年論説委員。平成2~9年東京家政学院筑波短期大学教授。平成6~9年同国際教養科長。平成9~14年平成国際大学法学部教授。退職後名誉教授。専攻はロシアの思想と文化、特に自由主義と社会主義の歴史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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