内容説明
本書は、英語前置詞を「使いこなす」ために必要な学習姿勢をはじめ、通常の英語教育では見逃されがちな着眼点や発想法、覚えるべき事例を解説する17章とコラムを収録しています。ときに通説や辞書の記述にはない使い方も、多彩な実例をあげることで具体的に説明しています。「本質」だけの追求や従来のイメージ重視の学習法では辿り着けない、「使いこなす」への長い長い階段を一緒にのぼってみませんか。
目次
1(位置の2段階指定;hit him on the head型の表現;「たら」「とき」「あいだ」が潜む前置詞;経路にまつわるあれこれ;will be P構文 ほか)
2(as;away;by;for;in ほか)
著者等紹介
平沢慎也[ヒラサワシンヤ]
1986年、神奈川県生まれ。2016年東京大学にて博士(文学)の学位を取得。現在、慶應義塾大学専任講師、東京大学非常勤講師。専門は、英語学、認知言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ががが
3
ネイティブのように前置詞を使いこなすために本だが、それがどれだけ深遠なのかが分かる。言葉の勉強というのは、基礎を終えたら、とにかく実際の言葉に触れて個別事に構文や語彙表現を覚えていくしかないというところがある。文法はそのもっとも体系化しやすい部分に過ぎず、語彙の意味が分かっても文意がつかめないものはいくらでも出てくる。よってとにかく実例に当たり抽象化できる意味を一つ一つ吸収していくしかない。前置詞はそういったものの中でも最たるもので、基本義の応用だけでは太刀打ちできない表現があることをこの本で学べる。2022/08/01
odmy
1
認知言語学系の文法書だと、前置詞が持ついろんな用法をひとつのイメージで統一的に説明する傾向がある。しかし、ネイティブは必ずしもそんな風にいちいちイメージから類推しているわけではない。結局はいろんな表現を実例ごと暗記しなければならないのだ、ということを本書では教えてくれる。こう書くと、きつい苦行を勧めてくるスパルタ本のように思えてしまうけど、語り口は柔らかいし、随所で「こういう表現を覚えた方が楽しい」と、苦しみよりも楽しみを強調している。実例も、古典とかじゃなくて最近の小説やドラマなのでとっつきやすい。2023/08/20