内容説明
ユネスコ・世界記憶遺産・山本作兵衛炭坑画のすべて。収録作品:画・彩色画120点、墨画72点。文・「筑豊炭坑物語」「筑豊方言と坑内言葉」「山本作兵衛自筆年譜」。
著者等紹介
山本作兵衛[ヤマモトサクベエ]
明治25(1892)年、福岡県嘉麻郡笠松村鶴三緒(現・飯塚市)に生まれる。立岩尋常小学校を卒業。数え年八歳の春、坑内に下がり、以後、採炭員や鍛冶工員として筑豊各地で働く。その合間に日記や手帳に炭鉱の記録を記し、記録文は昭和27年頃から、記録絵は昭和32年頃から描き始める。余白に説明を書き加える手法で1000点以上の作品を描く。昭和59年、92歳にて天寿を全うする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yn1951jp
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これはすごい!絵巻などという穏やかなものではなく、炭鉱夫が50数年のヤマでの仕事と生活を、退職後に綴った「記録画」である。単に一個人の記録ではなく、日本の都市化を支えた名もない英雄たちの記録である。今の私たちには想像もできない生活。いつの時代にも底辺を支える人々を忘れてはならない。世界記録遺産に登録されたそうだが、成長する世界の歴史のダークサイドの記録である。悲惨な生活だが、絵にも文にもヤマの一生懸命な生活に対する愛があふれており、私たちに感動を与えずにおかない。是非多くの人に読んでもらいたい。2014/10/12