内容説明
「絵詞」の成立はいつか。描いた絵師は誰か。後世の改竄はあったのか。そして、竹崎季長は何を意図したのか。「蒙古襲来絵詞」をめぐる謎を解き明かす。「蒙古襲来絵詞」の絵・詞を完全掲載。
目次
「蒙古襲来絵詞」の謎(蒙古襲来と「絵詞」のあらすじ;「絵詞」の成立の時期;二組作られた「絵詞」;絵師をめぐる謎;後世の描き込みや書きかえ;「絵詞」にみる似絵)
竹崎季長文書を読む(五通の文書;季長文書の意味)
「蒙古襲来絵詞」を読む(「蒙古襲来絵詞」の意義と制作意図;蒙古襲来絵詞(原文)(現代語訳))
著者等紹介
大倉隆二[オオクラリュウジ]
1948(昭和23)年1月7日、熊本県玉名市に生れる。1966年、熊本県立玉名高等学校卒業。1971年、関西学院大学文学部美学科卒業。1972年、同大学院中退。1972年、熊本県立美術館建設準備室勤務(1976年、熊本県立美術館開館)。(1991年、八代市立博物館勤務)。1995年、熊本県立美術館学芸課勤務、現在、学芸課長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うしうし
5
この本を読めば、『蒙古襲来絵詞』の内容や来歴が、ほぼ完璧に分かる。ただ、惜しむらくはカラー図版が小さいため、細部が詳細に読み取れないこと。この点については、別のビジュアル本などで補う必要がある。2019/07/07
ラガードー
1
部分的に有名な蒙古襲来の図。教科書等に載る際は日本騎兵が負傷する一部分しか見えないが、全景ではモンゴル兵を追い散らしている場面だと分かる。更に、絵が完成するまでに注文主から修正を求める政治的圧力があった事にも言及。歴史を後知恵で作ろうとする者たちの奮闘の一例、とも読めるかもしれない。2015/03/03