内容説明
最初は1920年代、イギリスの静かな村で二少女が「妖精」の写真を五枚も撮ってしまった。これを世界に紹介したのが、ホームズ生みの親、A・C・ドイルだった。第二は1980年代、老齢となった二少女が妖精写真を「作り物」だったと告白。でも、それで全部なのか?妖精の実在とドイル家の奇妙な「妖精愛」にまで扱んだ、最高の妖精学資料、ついに日本語訳成る。
目次
コナン・ドイルの「妖精写真追跡事件」を辿って
いかに事件は起こったか―コティングリー村で撮られた妖精写真
雑誌に公表したコナン・ドイルの記事―『ストランド・マガジン誌』(1920年クリスマス号)
妖精写真への疑い―イギリス・ジャーナリズムの反響
再び撮影された妖精―ドイルに伝えられた少女たちの「自信」〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春ドーナツ
15
いつだったか忘れたけれど、たぶん高山宏さんが関わっているような本で妖精の写真を見て、「こりゃ、アーサー卿もコロッと騙されるだろう」と思ったことを記憶している。今回掲載されている5葉の写真に「それ」は含まれていなかった。もしかして私は夢の中で見たのかも知れない。カメラの歴史にくわしくないので、1917年と20年に撮影されたということを、どこまで割り引いて考えなくてはならないのかよくわからない。それでも一目見ただけでフェイクだとわかるだろうと思う。写真を拡大して絵を切り抜いた痕跡が認められなかったとしても。2020/12/02
Tomozuki Kibe
2
天才的頭脳を持つ(はずの)コナンドイル。その彼が子供の写真にころっとはまっていく過程。当時から合った批判を「批判のための批判」と片付けていく手法は「肯定のための肯定」。さらにコティングリー事件から外に踏み出して「妖精を見た」という言葉を聞けば全肯定。彼の伝記と合わせ見れば人間が後戻りできなく様子が見えて興味深い。2021/01/11
ekura
0
1920年、イギリスで起きた「コティングリーの妖精写真事件」の概論と、当時の論説の訳出。写真がわかりやすい。ドイルの心霊主義へのはまりっぷりが見事。2011/02/07
小林ミノリ
0
コナン・ドイルも騙された、妖精写真事件、家系のなせる業なのか、人の心理の不思議さと、二人の少女が撮影したトリック写真が巻き起こした論争の顛末、幻想や遊び心ではかたづけられない何かを写す写真の魔力。
Johannes
0
どうしてコナン・ドイルともあろう人物が、子供のトリック写真なんかにまんまと騙されたのか。科学的であるとはどういうことかを考えさせられる事件です。2012/11/01
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