内容説明
動物たちは家族や仲間の「死」を悲しんでいるのか。これまで科学は、人間の感情を安易に動物に投影することを禁じてきた。だがこの数年、死をめぐる動物たちの驚くべき行動が次々と報告され、自然人類学者である著者も数年にわたる実地調査によって、その考えを変えざるを得なくなったという。死んだ子を離そうとしないイルカ、母親の死を追いかけるように衰弱し死んだチンパンジー、仲間の遺骸のうえに木の葉や枝をかぶせるゾウ。さらに猫や犬やウサギ、馬や鳥などきわめて多くの心揺さぶられる事例が本書では紹介される。
死を悼むという行動は、人間だけのものなのだろうか――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はやたろう
13
家族や仲間の死に対して、ゾウやネコなどの動物も人間のように、反応し普段と違った行動をする。それはあたかもその死を悼む、行動と言わざるをえない。それは否定できないほどの顕著な行動だという。ゾウ、ネコだけでなく、数多くの動物がそうした行動をとっている。不思議ではなく、動物行動学的には興味深く追及されるべき行動かと思う。2024/12/10
Miyako Hongo
8
大いなるプロローグ。俺たちはまだ何も知っちゃいないんだという内容。□多頭飼いのペットの内一匹が死ぬと、残ったもう一匹がおかしな行動を取る。農場の山羊が死んでしょんぼりする犬。死骸をつつくゾウ。死んだ子供をつつき続ける母イルカ、ボスの死骸に集まる猿…。具体例を並べることで何かがあることを示唆する。□まあ確かに猿やら犬やら、群れを作る動物が仲間の死を認識して何らかの情動を持つのは当たり前だよなあという感覚。それが全く研究されてこなかったという方に首を傾げる。キリスト教社会ではそんな物なのかねえ。 2020/01/18
じゃくりーぬ
3
科学者は動物に人間と同じような感情や情動があることをなかなか認めたがらない。というか、認めたいんだけど科学的じゃないから認めてはいけないような気がしている。そういう懐疑的な視点で見ても、どう考えてもこの犬は友達の死を悲しんでいるよね?という例が多数掲載されている。個人的に痛ましさを強く感じたのはテレビドラマに起用されたイルカが自殺していくところ。とはいえ深い考察があるというよりは「こんなにたくさんそれっぽい例がありました〜」になってしまっているところが惜しい。2020/03/25
てまりがみ
2
まぁまぁ難しかったが、いろんな動物のことを知られて、愛おしくなる。最初の犬や猫の話の中で、リアルな死が出てくるから心が痛い。2025/02/12
とめきち
2
仲間のピンチを人間に助けを求めるニワトリの話や自分の最も大事にしているものを仲間の墓に供えるゾウの話はとても驚きました。書店で見かけ衝動的に買ってよかったと思いました。2023/07/30
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