内容説明
3度も福祉事務所にSOSを発した姉妹が電気もガスも止められた厳冬の札幌で死んだ…生活保護バッシングの陰で頻発する餓死・孤立死。
目次
第1部 ルポ 福祉に3度、SOSを出したのに(事件報道―「まさか」、そして「またか」…;仲の良い姉妹;福祉に助けを求めたけれど;福祉事務所は何をしたのか;生活保護申請をめぐる数々のトラブル)
第2部 鼎談 生活保護バッシングの陰で悲劇頻発
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aoi
5
レポートに札幌姉妹孤立死事件のことを入れたくて読んだ。 題名が感情的だなぁ〜と思ってたけど文章にも感情が乗ってて「うーん(困った)」となった。 姉妹が以前生活されていた地域は炭鉱で栄え、衰退した町であった事に興味が出た。日本の産業構造的な問題により地域の衰退や貧困化を表しているようだった。仕事を求めて都市に出ても障害を持つ妹さんとの暮らしの中で孤立と貧困を断ち切るのは難しかっただろうなぁ。40代という若さで同居する姉妹共々亡くなられた(病死・凍死)と思うと凄く胸が痛む。 寺久保光良(2012)あけび書房2022/09/28
永田 誠治
5
読むと憤りで震える。寝る前に読むと怒りで眠れなくなる。生活保護受給額が過去最高である現在、なぜこの姉妹は受給出来ず、死ななければならなかったのか。そこには相談に来た段階で出来るだけ追い返せという国ぐるみの方針があった。その一方マルボウにはホイホイ受給させる現実。桶川ストーカー殺人と並ぶ"殺人的お役所仕事"と言えよう。この本は政治家、自治体、福祉に携わる人間全員に首根っこ捕まえて読ませたい。2012/12/23
ふみ
5
わたしは日本は好きですが、こういうニュースを見る度に「冷たい国だなあ」とも思ってしまいます。これは側面的な物の見方かも知れませんが。河本さんに対する生活保護バッシングのときもすごく違和感を感じました。周りに意見が同じ人が居なかったから自分の考え方がおかしいと思っていましたが、この本にわたしが聞きたかった意見が書かれていて、ホッとしました。不正受給をしている人は最低だと思うけれど、過剰な生活保護バッシングは人を殺したり、自分の首も締めることになるかもしれない。とても怖くなりました。2012/11/15
だいすけ
4
読みやすい文章ではなかったが、何とか読了。支援者がいないと、申請できないという事実。この事実が当事者本人を傷つける。2018/11/06
さとぞう
3
「福祉が人を殺した」を読んだあと、しばらく経ったが、偶然図書館で「また」という衝撃の題名の本を見つけ、読んだ。この本にかかれている姉妹困窮死の事件はもう6年くらい前のことだったが、ニュースで見たのを思い出した。両親がおらず、知的障害の妹と懸命に生きようとした姉が急死し、残された妹は凍死・・・なぜ?と思う。そして、30年前と同じ札幌市白石区で起きたこと。同じようなことがまた起こるなんてありえない。日本の生活保護、福祉行政について深く考えてしまった。6年経った今はどうなんだろう?2018/06/10




