内容説明
『三国志』の世界の面白さは、いずれ劣らぬ“できる男たち”の興味深い人間行動である。しかも、それが今日に大きなインパクトを与えるのは『三国志』の時代が激しい転換期にあったからだ。魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権、さらに諸葛孔明、関羽、張飛など歴史の舞台に登場する人物の行動は、人望・結団・転期・参謀・忠義・野心・統率力などに結実し、1800年の時空を飛び超えて現代社会にそれぞれの“核”を現出させている。
目次
序章―なぜ、いま『三国志』か
傾国―宦官による側近政治の弊
転期―末期の漢王朝と黄巾の乱
野心―“三国乱世”を招来・董卓
時勢―乱世におどる姦雄・曹操
人徳―三顧の礼とる名君・劉備
結団―少により衆を制す・孫権
忠義―類いまれな戦略家・孔明
参謀―軍律に殉じた英才・馬謖
義人―筋とけじめを貫く・関羽
人望―九思なき悲劇の将・張飛
思慮―能臣を使えぬ暗君・袁紹
人材―積極登用で組織を活性化
統率―赤壁の戦いと組織の形態
君子―「出師の表」と名君の条件
大信―長期戦略の拠る基本原則
道義―価値変革期の行動の指針
併合―武力的侵略と「仁者の兵」
禍根―危機管理と人間の生き方
終章―『三国志』から学ぶもの
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- 和書
- 島津斉彬公伝 中公文庫