出版社内容情報
今なお世界中で読み継がれる名著『ユドルフォ城の怪奇』に比肩する、ゴシック・ホラーの傑作にして探偵小説の源流。刊行から229年の時を経て、半世紀ぶりの新訳刊行!
「同時代のゴシック小説の中でも、ラドクリフの作品の探偵小説的要素は突出している。かくして、リアリズムとは対極にあるかのように見られがちで、むしろロマンティシズムとの関わりが重視されてきたラドクリフの小説は、実は数あるゴシック小説の中でも最もリアリズム的な要素が強い作品であるといえるのだ。そしてそれだけではなく、ラドクリフのリアリズムは次第に進化していったと見ることもできるのである。生前に出版された最後の作品となった『イタリア人』は、ダイナミックな謎の仕掛けという点では『ユドルフォ』に一歩譲るかもしれないが、人物造形に深みが増しているという点で、ラドクリフの最高傑作と見る向きも多い作品である。」
「ラドクリフは『イタリア人』において、シェイクスピアのリチャード三世に勝るとも劣らない深みのある悪人像を描き出すことに成功したといってもよく、それはこの作品において作者が試みたリアリズムの最大の成果だといっても過言ではないように思う。」
――三馬志伸「巻末エッセイ」より
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