内容説明
植民地時代、独立革命前後、そして19世紀、アメリカはつねに「改革」とともにあった。文学、宗教、歴史、文化をカバーする多角的な論考と、先端的な視座から重要事項を俯瞰するエッセイにより、学際的なアプローチで初期アメリカ研究を更新する。
目次
ロジャー・ウィリアムズ寛容論の背景―類型化と論点整理
外交・戦争・条約によるイギリス人―先住民関係の形成と変革―一六〇七‐一七〇一
ベン・ジョンソンの「新世界」と急進派ピューリタニズム―宮廷仮面劇と宗教的熱狂
サミュエル・シューワルのメキシコ幻想
ジョナサン・エドワーズ「忠実なナラティヴ」における少女たちの回心―アビゲイル・ハッチンソンとフィービ・バートレットの場合
北米大陸形成史事始―一七四三年の内陸探検とフィラデルフィア啓蒙
独立戦争期を綴った船乗り―迷える愛国派・厭戦の無党派
大西洋世界のなかのアメリカ建国期―ジョン・モールトン船長関連新史料の一考察
大統領期マディソンの北米辺境政策―西フロリダ併合宣言(一八一〇年)を中心に
建国期アメリカの女性と読書―小説が広げた女性の領域
ガブリエルの叛乱―未曾有の大嵐によって頓挫した大規模奴隷蜂起計画
奴隷制廃止をめぐるエマソンの視座―変貌する社会と知識人の役割
「鉄道以前の時代」という歴史意識―ストウ文学にみるアメリカ地方主義文学の伝統
初期アメリカ学会の原点とこれから