感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
80
米沢嘉博『戦後〇〇漫画史』シリーズの麻雀漫画編に相当する本だが。既存の漫画評論ででは、ほとんど、とりあつかわれないジャンルゆえの、濃厚な熱さがあり、550ページもの大著となっている。作品論のみの米沢本と違い、雑誌論もある。だが、あとがきでは、著者自身は「麻雀漫画については、世の麻雀好きの平均よりは読んでいる程度であった」、「調査研究に10年以上かけた」と意外な記述が。過去の麻雀漫画評論については、大西祥平については誤りを指摘しながらもリスペクトしているのだが、ブルボン小林の間違いの指摘では容赦しない筆致。2025/03/02
Sato19601027
72
「麻雀漫画」と聞いて、真っ先に思い出すのは福本伸行著「アカギ」。週刊誌を発売された日に買い、繰り返し読んでいた。単行本も購入し続けて、手元に全巻揃っている。一緒に本棚に並んでいるのは、福本伸行著「天」、片山まさゆき著「ノーマーク爆牌党」、みやわき心太郎著「牌の音㊙STORIES」、神田たけ志著「ショーイチ」、小林立著「咲Saki」など。1970年代の麻雀漫画総明期から直近の「追憶のM」までの、麻雀界の潮流と竹書房、並びに麻雀漫画に携わった人々の情勢が詳細に語られている。記憶を引き出される興奮が心地よい。2025/01/01
akihiko810/アカウント移行中
31
麻雀漫画の歴史やトピックを1970年代〜2020年代まで網羅した、麻雀漫画通史。印象度A+ 取材と調べと出版までの紆余曲折に10年かかったという、圧倒的労作。麻雀漫画、という「専門誌もありながら、今までまともに論じられることもなかった」ジャンルを、まさかまとめてしまった。世界唯一無二の麻雀漫画本となった。本当に素晴らしい仕事である。 麻雀漫画界の二大巨頭、片山まさゆき、福本伸行の活躍はもちろん、個人的には、植田まさし「フリテンくん」を麻雀4コマのパイオニアとしている点がうれしい。2024/08/29
阿部義彦
24
読メ友達からの影響で、気になってた本を購入。麻雀は中学で覚え、阿佐田哲也の双葉書房からの新書判『牌の魔術師』(サイン入)から、漫画より活字にどっぷりハマり、麻雀新撰組の話題を雑誌『ジャンケン』で知った世代。第一世代の北野英明は主役の顔が同じとしか記憶になく、やはり片山の「ぎゅわんぶらあ~」が鮮烈に記憶に残ってます。あとてらおかみちおの「ポッキン・ルージュ」も!その後「哭きの竜」位が守備範囲。兎に角国会図書館まで雑誌を探して現存してる、否かまで調査する凄い熱量。青山広美「バード」竹書房を是非読まねば‼️2024/09/07
ガットウ
20
★★★★4.5点。面白かった!「昔は良かった。」とばかり言ってるオッサンは嫌われると自覚しつつ、やっぱり『別冊近代麻雀』『近代麻雀オリジナル』『近代麻雀ゴールド』がコンビニにあったのは良い時代だったなぁ〜。2024/11/03