出版社内容情報
第二次大戦下、首相官邸でチャーチル首相の秘書として勤務することになったマギー・ホープ。才気煥発な彼女が体当たりでいくつもの陰謀に挑んでいく、魅力のシリーズ開幕編。
内容説明
空襲が迫るロンドン。この街で1年余りを過ごしたアメリカ育ちのわたしに、チャーチル首相の秘書としてタイピストにならないかという話が舞い込んでくる。自らの能力に見合った職ではないことに苛立ちを感じながらも、わたしはその申し出を受け入れた。首相官邸をめぐるいくつもの謀略が待ち構えていることなど知るはずもなく。才気煥発なマギーの活躍を描く、魅力のシリーズ開幕編。
著者等紹介
圷香織[アクツカオリ]
上智大学国文学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
146
第二次世界大戦下のロンドン。数学の天才ともいえる女性が持ち前の頭脳でナチスのたくらみの暗号を解いていく話。女性の地位が低く、頑張ってもなかなか認めてもらえない時代。チャーチルも女性参政権には反対だった。そんな時代に、持ち前の元気で困難を乗り越えていく。秘書として働き始めるのだが、目の前を通り過ぎていく機密情報が気になってしょうがない。頼まれてもいない問題を解決し始める。思わず応援したくなる性格でもある。敵に囚われる場面が多すぎてちょっと食傷気味だが。2023/08/01
あつぼう
66
また新しいシリーズに手を出してしまいました。そして続編を読みたくなるぐらい面白い作品でしたので、どんどん読みたい本が増えていきます。表紙から勝手にコージーミステリーかなと思ってたけど、いい意味で裏切られたかな。第二次世界大戦下の空爆が迫るロンドンが舞台で、チャーチル首相の秘書になったマギーの活躍を描いてます。この当時ならではの葛藤や戦時下のロンドンの状況がリアルで、生と死が隣り合わせだったのが伝わってきました。MI5なども登場しスパイ小説としての要素もあり今後の展開が楽しみです。2020/05/22
小木ハム
56
1940年。インテリ女子のマギーが第二次世界大戦下のイギリス・チャーチル首相の元で働くミステリー小説。しんどい時代背景だけど割と楽しげな雰囲気なのは彼女の気丈さや困難をジョークで笑い飛ばす仲間たちのお陰か。陰謀の渦中に巻き込まれている事に気付くのは中盤以降で暗号が出てくる辺りから一気に面白くなる。戦時には飼い犬や動物園の動物が安楽死させられ、公園のフェンスは溶かして武器にするため撤去される。灯火官制で夜は真っ暗。ところどころの描写が改めて戦争のしんどさを物語る。2018/06/02
oldman獺祭魚翁
50
第二次大戦初期 縁あって時の総理W・チャーチルの秘書となったアメリカ育ちのマギーをめぐる歴史サスペンス。戦時下の英国では日本と同じ様に配給制が施行され、簡易防空壕を掘ったりしているが、勝ち戦で始まり(少なくとも国民はそう思わされていた……)勝っているのに何故か空襲を受け始めた日本と、敗戦に次ぐ敗戦で大陸から孤立した英国とでは受け止め方が違うようだ。まぁその辺は国民性の違いなんだろうが……国民性といえばアメリカナイズされたマギーと英国人との思考のズレも興味深い。2018/07/29
ごへいもち
50
あまり期待しなかったせいか、そこそこ面白かったです。チャーチル家のモットーだという「Fiel pero desdichado不運でも誠実であれ」がなんだか心に響く。弔辞代わりのホランドの詩(コメントに)も心になじむ。先日読んだ「おだまりローズ」のレディ・アスターとの不仲にも言及。チャーチルのカントリーハウス、チャートウェルはヒロインでなくても行ってみたい。一応続編も読もうかな 2015/02/22