出版社内容情報
法律家を目指す女子大生・高槻ナラと、ぐうたらなくせにやたらイケメンな探偵・春瀬壱弥が織りなす京都が舞台のライトミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
161
人や物の捜索はもちろん、依頼人の想いに寄り添い本当に取り戻したいものを見つける手助けをするー謎解きの中にも優しさがあふれるミステリー。最後の黒猫をめぐる親子愛の話が一番良かった。美しい文章で綴られた京都の描写は上品で鮮やか。帯にあるように京都の街を歩きたくなった。イケメン壱弥とナラのコンビもお似合いだし、他の登場人物も魅力的。続編あったらぜひ読んでみたいです。2020/09/11
aoringo
81
古都京都が舞台。探しもの専門のイケメンぐうたら探偵による事件簿。探しものは人探し、猫探しだけでなく心の迷いまで。はんなりした京都弁が心地よく、主人公たちが巡る歴史ある市街地は華やかで美しい。今作はまだ序章といった感じ。面白かったので続きも読んでみよう。2023/01/05
真理そら
73
「エフェメラル=儚いもの」残念イケメンの探偵・壱弥と弁護士を目指す法学部の学生・ナラ(女)がいろいろなものを探す話3編からなる連作短編集。探偵として取り組んだ謎はすべてすっきり解明されるが、最大の謎は壱弥自身かもしれない。彼はなぜそこで探偵をしているのか、彼自身に何か見つけたいものがあるのではないか、ナラの父の言葉も謎めいている…と読者に思わせつつこの巻は終わる。京都が舞台だけれど観光案内的な要素は薄め。2022/12/04
ゆのん
60
【NetGalley】京都を舞台にしたミステリー。探偵と女子大生のコンビ。人探し、遺品探し、猫探しと探偵らしい仕事をこなすが、もっと大切な友情や夫婦愛、親子の絆も探し出す。京都の街並みや祭り、和菓子なども沢山出て来て京都へ出掛けたくなる。人の想いを探す京都ミステリーツアー体験が出来て楽しく読了。812020/04/03
ツン
42
なんかこれまで読んだ京都ものと違うなあと思ったら、これまで読んでいた小説は男性は京都弁でも、主人公(女性)は標準語だったのです!この本は(初めて?)主人公も京都弁を話すのですが、(主人公目線の)語りの部分は(当たり前だけど)標準語で、ふと、実際の京都の人はどういう言葉で考えているの?と思ってしまいました。続編で二人のこれからが見たいと思う一方で、探偵さんの忘れてしまった過去が甦るのがこわいような気もするのです。2021/02/07