目次
第1部 エリートの興隆(社会諸勢力の衝突;総合中等学校の脅威;現代教育のはじまり;年功よりメリットへ)
第2部 下層階級の衰微(労働者の地位;労働運動の衰退;金持ちと貧乏人;危機)
著者等紹介
ヤング,マイケル[ヤング,マイケル] [Young,Michael]
1915~2002年。イギリスの社会学者、社会活動家、政治家。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学を学び、のちに法廷弁護士の資格も取得。1945年の総選挙の際に労働党のマニフェスト「未来に立ち向かおうLet Us Face the Future」を起草し、クレメント・アトリー率いる労働党政権誕生の一翼を担った。政権の職位を辞してからは消費者組合、オープン大学など多くの組織を設立し、社会改革にも取り組んだ
窪田鎮夫[クボタシズオ]
1912年、東京市(現・東京都)生まれ。1936年、東京帝国大学(現・東京大学文学部英文科)卒業。茨城大学助教授、成蹊大学教授、戸板女子短期大学教授を歴任。1998年、没
山元卯一郎[ヤマモトウイチロウ]
1915年、鹿児島県生まれ。1937年、東京帝国大学(現・東京大学文学部英文科)卒業。名古屋大学助教授、横浜市立大学教授、戸板女子短期大学教授を歴任、横浜市立大学名誉教授。2014年、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドラマチックガス
5
長らく絶版になっていた教育社会学の伝説的名著がまさかの復刊。人を純粋に能力のみで評価するメリトクラシーの社会となった2034年に、これまでの経緯を振り返る論文の体で書かれるディストピア。1958年に書かれたとは思えない先見性にひたすら驚く。ただ、筋を知っていたからついていけたけど、初めて読む人は意味わかるのかな…と思うところも。2021/12/16
田中峰和
3
日本語にすると能力主義というタイトル。戦後も貴族階級が残る国だからこそ、固定化による停滞が続いていた英国。貴族の子弟が通うパブリックスクールと優秀な生徒の集まるグラマースクールは、貧しく学力の劣る子どもには無縁の学校。教育の遅れが国の停滞を起こす原因と考えた政治家たちは、能力による選別を早くから導入するため知能テストを取り入れた。第二次大戦時、知能テストで振り分けた軍隊が有効だったことを経験していたかららしい。貴族だけでなく、有能なものも上流階級に加わった。大人になっても知能テストを受けるのは英国独特だ。2023/09/22