出版社内容情報
トヨタ自動車株式会社代表取締役会長・豊田章男氏が「私の教科書」「私の経営の師」と公言する、伊那食品工業株式会社最高顧問・塚越寛氏の聞きがたり自叙伝。
塚越氏が提唱し、経営の根底を支えてきた「年輪経営」とは、どんなに天候が不順でも樹木に年輪ができない年はなく、一年に一本年輪を刻み、前年より確実に少しずつでも成長していくことになぞられている。
不況などにも大きく左右されず、低成長でいいから昨年より今年、今年より来年と確実に成長していくことが大切ではないか。成長は単なる売り上げや企業規模ということではない。社員が明るくなった、会社のイメージがアップした、人からいい会社になったと言われることなども立派な成長である。そうしたことが社員のしあわせに繋がっていく。
社員がしあわせを感じられれば、モチベーションが上がり業績も向上していく。そして社会に役立つ企業へと成熟していくというものである。
極貧、結核、経営苦などいくつもの困難を跳ね飛ばし、「年輪経営」で社員やかかわる人々のしあわせを願い続け実現し、日本を代表する経営者や日銀総裁にまで影響を与え続ける、塚越氏の経営力はもちろん人間性・人生哲学に迫る一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
杉坂フェノメノン
4
TOYOTAの豊田章男会長が「経営の師匠」と仰ぐ伊那食品工業の最高顧問、塚越寛氏の評伝。これまで氏自身が著した経営に関する本は何冊か読んでいたが、第三者によるインタビュー形式で、氏がこれまで触れてこなかった幼少期、黎明期の細かなエピソードに触れているのは貴重。特に氏が提唱する「年輪経営」に思い至るまで、どのような苦労があったかを知れて良かった。2024/10/03
DiceK
2
家族のような会社。社員が幸せになることを目指す素敵な会社。目的と手段を間違えないような経営判断が必要。2025/03/16