目次
第1部 神話(神話の章―かつて音楽産業は壊滅した;黄金の章―四十年かかった音楽産業、黄金時代の再来;日本の章―日本が世界の音楽産業にもたらしたもの ほか)
第2部 破壊(破壊の章―音楽が未来を連れてくる 疾風怒涛、ナップスターの物語;再生の章―スティーブ・ジョブズが世界の音楽産業にもたらしたもの;明星の章―音楽と携帯電話 東の空に輝いた希望の光)
第3部 使命(先駆の章―救世主、誕生前夜 ジョブズと若き起業家たち;カデンツァ―音楽産業の復活とポスト・サブスクの誕生 そして未来へ)
著者等紹介
榎本幹朗[エノモトミキロウ]
1974年東京生。作家・音楽産業を専門とするコンサルタント。上智大学に在学中から仕事を始め、草創期のライヴ・ストリーミング番組のディレクターとなる。ぴあに転職後、音楽配信の専門家として独立。2017年まで京都精華大学講師。寄稿先はWIRED、文藝春秋、週刊ダイヤモンド、プレジデントなど。朝日新聞、ブルームバーグに取材協力。NHK、テレビ朝日、日本テレビにゲスト出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
1959のコールマン
64
☆5。力作。656ページもあるのにとにかく面白い!「神話の章」から一気に引き込まれる。「音楽産業はかつて売り上げが二十五分の一に落ちたことがある。1930年初頭のアメリカでのことである」p18。え?いったいどうゆうこと? その後も「ロックンロールのブームを創出したSonyのポケットラジオ」p56、ウォークマンの起こした別格のイノベーション、「月面の章」のMTV物語、「栄光の章」のCD、そして個人的に面白かった「破壊の章」のナップスター。特にこの章はそれまでの音楽業界のあり方を一変させる「事件」だったため↓2021/04/15
Bartleby
11
ITにおけるイノヴェイションを音楽業界が牽引してきたという前提に立った音楽ビジネス盛衰記。エジソン蓄音機からSONYウォークマン、ナップスター、AppleのiPodとiTunesを経てspotifyなどサブスクリクション型音楽視聴まで、さらにその先まで。構成と語りが上手いのでぐいぐい読めるが、表現がちょっと大げさで、"友情”“努力”“勝利”の少年マンガを読んでいるような気分にもなる。その分、割り切って壮大な冒険物語として楽しんで読むことができる。2022/11/21
furu_sato_sf
2
この本を読んで、どんなに技術が進化しても音楽と言うコンテンツの重要性は変わらないということを実感する。ビジネスという面では技術や消費者志向の変化の段階で度々破壊と再生を繰り返しているが、荒波に揉まれるからこそコンテンツとしての価値の高さが証明されていっている。ビジネス側も技術インパクトによる定期的な破壊がないと、社会は変わっていかないとも言える。ナップスター全盛期は、時代の変化をまさに実感したことを思い出す。「社会変革をもたらす本当の力は、テクノロジーだ。政治でもビジネスでもない。」2021/12/06
藤山晃太郎
2
名著。いつの時代もエンタメを変えるのはテクノロジーとそれによる生活変容だなあと。2021/09/04
Kolon
2
1800年代終盤から始まった音楽産業の技術的、ビジネス的な側面を、現在に至るまで俯瞰的網羅した本書。著者の分析力や情報の整理力、筆力に敬意を表したい。 個人的には久しぶりに没頭するように読んだ本だった。当然だが自分の生きてきた時代に関しても、その背景が詳しく描かれていたからだ。 現在音楽業界やエンタメ業界で働く20代30代の方は、この本を読んで自分の働いている業界の連綿と続く歴史的意味を理解した上で今後の仕事に励んでほしいと思っている。2021/06/30
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