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内容説明
芥川竜之介は,小説の他に,随筆,回想,小文も多く残している.芥川は,随筆を「清閑の所産を誇っていた文芸」として特に愛好した.古今東西にわたる深い学識,郷里(現・墨田区向島)への想い,交友を大事にした人柄など,芥川の素顔を良く伝えている.多岐にわたる珠玉の随筆を精選して初めてまとめる.詳細な注解を付した.
目次
目 次
Ⅰ
大川の水
あの頃の自分の事
追 憶
本所両国
Ⅱ
雑 筆
点 心
澄江堂雑記
野人生計事
Ⅲ
動物園
僕 は
都会で
東北・北海道・新潟
Ⅳ
私と創作
「昔」
文学好きの家庭から
眼に見るような文章
小説を書き出したのは友人の煽動に負う所が多い
芸術その他
梅花に対する感情
わが俳諧修業
小説作法十則
Ⅴ
漢文漢詩の面白味
仏蘭西文学と僕
「井月句集」の跋
長崎小品
鏡花全集目録開口
発句私見
徳川末期の文芸
「道芝」の序
Ⅵ
漱石山房の秋
合理的、同時に多量の人間味
森先生
漱石山房の冬
恒藤恭氏
飯田蛇笏
佐藤春夫氏
久保田万太郎氏
学校友だち
田端人
滝田哲太郎氏
萩原朔太郎君
内田百間氏
Ⅶ
大震に際せる感想
古書の焼失を惜しむ
鸚 鵡
廃都東京
震災の文芸に与うる影響
東京人
妄問妄答
隅田川周辺地図
解 説……(石割透)
初出一覧
注 解……(石割透)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
84
なぜ芥川の作品に自分のemotionが揺さぶられるのかよくわかった気がした。谷崎より芥川が圧倒的に好きなことにも納得した。彼の感性、感受性、自然への親しみ方、なくなっていく物への郷愁などに、とても共鳴するからだ。短い随筆、文章の一つ一つに、彼がよく表れている。一度では味わえないから、これは手元において折に触れて手に取りたいと思う。本当にその作者に入り込もうとせず、よく理解もせずに、単に批評を行う人への憤りは、よくわかる。よく知りもせずに、よく文学を理解もせずに、適当な事を書くなということだ。2015/01/10
優希
78
静かに語られた事柄の数々の向こう側には柔らかい芥川の素顔が見えるようでした。恥ずかしい話が多いですが、それがかえってユーモラスに感じます。ちょっとツンデレなところも伺えますが、きっと華があった人なんだろうなと思いました。ただ、時代を生きるには神経質で優しすぎたが故に自殺という道を選んでしまったのでしょう。芸術とも言える作品を残した彼は一途に何かを求めすぎていたような気がします。2016/12/14
HANA
49
随筆集。テーマ事に幼少期の思い出、小説と芸術について、人々との繋がり、関東大震災後の事等、四つに分けられているが、ジャンルに拘らず全体をゆったりとした雰囲気が覆っているように思った。特にそれが顕著なのは幼少期の思い出の部分。芥川自身は江戸趣味が無いように語っているが、この幼少期にあるのは江戸と地続きになった東京の思い出であろう。総合的に大正の文人随筆の良い部分を集めたような造りになっている気がした。芸術と文学を信じていて、それでどことなく懐かしいような。芥川の文章のスタイルがよく現れているいい一冊だった。2014/08/07
やいっち
46
下町…大川…今で言う隅田川に掛かる両国橋などの近辺。本書冒頭の「大川の水」が秀逸。場合によっては、芥川は下町での思い出や経験を土台にした永井荷風と並ぶような小説家となる可能性もあったかもと思った。が、今昔物語などを元に「羅生門」や「鼻」を書いた。生みの苦しみを味わったようだ。小説家・芥川龍之介の誕生である。あまりいい読者とは言えない吾輩の印象だと、芥川はあまりに眼識というか見識が鋭かったように感じる。創作家たることを何処か内部から(自分で)傷つけていたように思えてならない。2019/11/02
takumi
22
美しい日本語読んでいると何故か落ち着くのです!芥川龍之介の人柄見えてきそうな作品です!2016/04/30
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