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内容説明
絵は心が描いたものであり、風景は心に派生する思いの源泉である。本書はこうした見地から、風景写生を学びの友とする著者が過去半世紀に四国のへんろ道、またそこから繋がる世界の道で対峙した風景を追憶し、鳴門からサンクトペテルブルグへと広がった思いを八十八のテーマに集約し、読者を思考の泉として風景を愛でる楽しみへと誘ったものである。本書の「写生」という言葉には、現場での小さな素描、それを下絵として描いた習作、展示作として描いた水彩風景画が含められている。四国四県、国内各地の古今の情景。諸外国での写生。ターナーや石手寺の僧による素描。高野山学僧による霊場景観図。南方熊楠の曼荼羅概念図。国内外の古地図、絵図、想像画。これら数多の画像を、仏教にいう四転の思想に基づく四国四門の各道場に振り分けて、カナダの地理学家がその心の広がりを読者へ開いたのが、この一録である。
目次
発心門 阿波の道場(境界を越える、鳴門海峡)(四国・道場(象徴地理的道場)
憧憬(淡路島から見やった四国二時点) ほか)
修行門 土佐の道場(空海修行の地に立つ、室戸岬先端)(関所(甲浦)
辺路(行基図) ほか)
菩提門 伊予の道場(浪漫の街、松山)(道半ば(観自在寺門前)
トンネル(内海隧道大浜口) ほか)
涅槃門 讃岐の道場(結願所へ向かう、大窪寺近圏)(雲海(雲辺寺への登り坂で見た雲海)
最短距離(神恵院本堂前から観音寺本堂を見る) ほか)
著者等紹介
島崎古巡[シマザキコウジュン]
号:古巡。地理学家。信州を祖地とし、東京に生まれ育ち、1967年中南米経由カナダへ。同国での院生時代に地理学と風景写生に出会い、追って帰化。文化地理学と国際関係分野での研究と教育に四十年余り従事し、退職、現レスブリッジ大学名誉教授。過年、カナダの他大学やインド、エクアドル、日本、ドイツ、マレーシア、メキシコの諸大学や研究機関で客員教授・研究員を任じ、学究活動の一環として風景画をたしなむ。十二カ国での展示歴、また、アジア、インド、ウダイプールの景観、京都、妻籠、馬籠の古今の風景、文人藤村の心の旅路や風景写生の心を求めた画文集がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。