出版社内容情報
銀河ホテルの名物は、世界中のインクを取り揃えた手紙室。疎遠になっていた妹へ。巣立っていく生徒へ。手紙が導く心温まる物語。人気シリーズ第3弾。
【目次】
内容説明
銀河ホテルの名物は、居候の苅部がつくった「手紙室」。妹とともに亡き両親からの手紙を受け取りにきた佳菜。幼い頃の記憶をたどり、手紙を書くなかで、家族へのわだかまりを少しずつ解いていく。一方、毎年ゼミ合宿の引率にきていた斉藤教授は今年で定年に。巣立っていく学生たちに向けて最後のメッセージを綴る。そして迎えた合宿最終日、思いがけない奇跡が!清涼感たっぷりの爽やかな一冊。
著者等紹介
ほしおさなえ[ホシオサナエ]
1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞小説部門優秀作に。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』で第12回鮎川哲也賞最終候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
105
シリーズ3作目。今作も読み始め数ページですーっと軽井沢、銀河ホテルの世界へ引き込まれ😌亡き両親からの手紙を受け取った姉妹の話が今の自分と歳も近くて共感することも多くじーんときた。色とりどりのインクに囲まれた「手紙室」想像するだけでうっとり。私もワークショップに参加してみたい。2025/08/23
KAZOO
102
ほしおさんの軽井沢にある銀河ホテルシリーズ3作目です。いつもながらゆったりとした時間(特に手紙を様々な色のインクで書く時間)での楽しみです。今回は3つの話が収められていて、一つ目は幼い時からこのホテルに家族で訪れていた姉妹の物語です。二つ目はこのホテルで働くことになった若い女性がこのホテルとどのようにかかわりを持ってきたかを語ってくれます。三つめは定年退官する大学の先生が今まで夏のゼミ合宿をここで行ってきて最後の回に手紙のやり取りをゼミ生と行うという話です。ほろりとさせてくれます。2025/07/20
のぶ
92
銀河ホテルの居候シリーズの三作目。今回も3つの話が収められているが、どれも良かった。ほしおさんの本でこのシリーズが一番好きだ。人々の人生がきちんと描かれているからこそ手紙に込められた想いがより素晴らしく感じられるのだと思う。苅部さんの優しいキャラクターは本作でも生きていて読んでいて癒される。登場するインクの描写が美しく、頭の中がいろんな色で染まっていくように感じられた。酷暑の中で読んだので、軽井沢の爽やかな空気を感じられたのも良かった。2025/07/31
たるき( ´ ▽ ` )ノ
45
シリーズ第3巻。ほしおさんの作品って共通した雰囲気があってすごく落ち着く。軽井沢には2度ほどしか行ったことがないので、また清々しい空気を感じに行きたいな。2025/10/09
陽子
45
今回も、ペンで書く手紙の良さをしみじみと感じた。様々な想いを込めて相手のイメージのインクの色を選んで書く手紙。それは、世界にたった一通しかなくて、心そのもの。そんな手紙を書くための軽井沢の銀河ホテル・手紙室は色んな人の心に寄り添う温かさ。退官間近の大学の先生とゼミの学生の交流を描いた「十人十色」良かった。自分も転勤や卒業、色々な場面でいただいた手紙を思い出した。軽井沢の美しい緑の森。行ったことはないが、近くに感じながら、穏やかな思いに包まれた読書だった。2025/09/02
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