内容説明
「小野篁の、広才なる事」(宇治拾遺物語)と謳われた篁。地獄往来や百鬼夜行などの怪しき伝説に彩られた小野篁とは、どのような人物であったのか。歴史研究の視点からその実像に迫る初の書。
目次
歴史研究としての小野篁の伝記の試み
朝廷が記録した小野篁の人生
若き日の小野篁
海の民の末裔
篁の機智
小野篁という能吏
小野氏の先人たち
遣唐使小野篁
小野篁という庶民の罪人
篁に惚れ込んだ白楽天
小野篁という法律家
冥界の裁判官を務める小野篁
小野氏および和迩氏の存在の記念碑としての小野篁
著者等紹介
繁田信一[シゲタシンイチ]
1968年、東京都生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、東海大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みき☆
1
小野篁の資料はあまり残っていないらしく、遣唐使や小野家のことが大半だけど、小野篁の身長は190cmで、常識に囚われない性格で野狂と呼ぶ人々もいたけど、篁はよろんでいたようというのは、私が小野篁に惹かれるのかもしれないと思いました。 仁明天皇は、派手好きで自身の夢をごり押しして、朝廷の首脳陣は宴で享楽に耽るなど、権力者はどの時代も変わらないのだなと思いました。2023/02/02
Funky-TakaOyaji
1
小倉百人一首に参議篁の名で「わたのはら八十島かけて漕ぎ出でぬと人には告げよ海人の釣船」の句がある小野篁は平安時代前期の貴族である。漢詩漢文に天才的な才能を持つ篁は、身長が190cmの巨漢であり、昼間は朝廷の官人として出仕し、夜になると冥界に赴いて閻魔王宮の裁判官を務めていたという伝説は有名。京都の六道珍皇寺には篁が冥界へ行き来したとされる井戸が実在する。篁は仁明天皇の時代に遣唐使船への乗船を拒否し、官位を剥奪され隠岐島へ流されるが、彼の才能は捨て難く、2年後には都に戻され官位も復活する。小野篁の初伝記本。2021/06/19
崎
1
最後、ちょっと飛ばし気味に読んでしまったけど、おもしろかった。学生時代の論文ですごく調べた記憶がある人物。生い立ちまでは覚えていなかったので、改めて勉強になりました。2021/03/07
りり課長
0
記録が限られているからだろうけれど、同じ資料を何度も載せたり、ページ数稼ぎが目に余る2022/07/24
ギズモ。
0
図書館から。 小野篁の関連資料が少ないのがこの本からも良く分かる。 安倍晴明のようにいろいろ分かるかと思ったけど、大半は小野の家系だったり、遣唐使だったりでした。 もう少しオカルト要素を望んでたんだけど。2021/07/26