出版社内容情報
ヨーロッパ列強の覇権争いの尖兵となり、政治権力のみならず軍事力をも保持した貿易独占企業。礎を築いた人物たちの強烈な生きざま。オランダとイングランドの東西インド会社に代表される貿易独占企業は、ヨーロッパが世界を制するうえで立役者となった。政治権力のみならず軍事力をも保持した特異な企業の礎を築いた人物たちの強烈な生きざま。
<その商才、鋼の意志と傲岸な自信、自分の人生の他のあらゆる資産を犠牲にしても、会社が儲かることにのみ身をささげる底知れぬ献身>(p.272)
<英雄的交易の時代の貿易王たちは、犯罪容疑者リストにのったような伝説的な商人=冒険家で、三百年間、広範にわたる交易企業を、世界のかなりの部分に拡大したが、その目的は、株主に対し収益を生み、自身の私腹をこやし、みずからの虚栄心をみたすことに他ならなかった。英雄もしくは悪党、愛国者もしくは泥棒、利口な統治者もしくは貪欲な盗賊。こうしたことは、しばしば、同じコインの裏面である。こうした昔の貿易王に思いをめぐらすことは、バックミラーをみるようなものだ。文化的虚飾を取り除けば、同類の輩が、ビジネスと政治をまぜこぜにして、今日でも現代世界をつくり上げているのが見える。>(p.332)
序 英雄的交易の時代
第1章 同僚中の首席
――ヤン・ピーテルスゾーン・クーンとオランダ東インド会社
第2章 分割された忠誠心
――ピーテル・ストイフェサントとオランダ西インド会社
第3章 会社間の争い
――サー・ロバート・クライヴとイングランド東インド会社
第4章 アラスカの領主
――アレクサンドル・アンドレーエヴィチ・バラノフと露米会社
第5章 ビーヴァーの帝国
――ジョージ・シンプソン卿とハドソン湾会社
第6章 ダイヤモンドと欺瞞
――セシル・ジョン・ローズとイギリス南アフリカ会社
エピローグ 会社が世界を支配した時代
スティーブン・R・ボウン[スティーブン アール ボウン]
著・文・その他
荒木正純・石木利明・田口孝夫[アラキマザズミ イシキトシアキ タグチタカオ]
翻訳
内容説明
オランダならびにイングランドの東西インド会社に代表される貿易独占企業は、ヨーロッパが世界を制覇するうえで立役者となった。政治権力のみならず軍事力をも保持した特異な企業の礎を築いた、尋常ならざる人物たちの強烈な生きざま。
目次
序 英雄的交易の時代
第1章 同僚中の首席―ヤン・ピーテルスゾーン・クーンとオランダ東インド会社
第2章 分裂した忠誠心―ピーテル・ストイフェサントとオランダ西インド会社
第3章 会社間の争い―サー・ロバート・クライヴとイングランド東インド会社
第4章 アラスカの領主―アレクサンドル・アンドレーエヴィチ・バラノフと露米会社
第5章 ビーヴァーの帝国―サー・ジョージ・シンプソンとハドソン湾会社
第6章 ダイヤモンドと欺瞞―セシル・ジョン・ローズとイギリス南アフリカ会社
エピローグ 会社が世界を支配した時代
年表・英雄的交易の時代
著者等紹介
ボウン,スティーヴン・R.[ボウン,スティーヴンR.] [Bown,Stephen R.]
カナダのオタワに生まれ、アルバータ大学に学び、マルチメディア関連の職についたあと、フリーランスの作家となる。これまで多数の雑誌に寄稿するほか、著書多数
荒木正純[アラキマサズミ]
1946年生まれ。東京教育大学大学院博士課程中退。静岡大学、筑波大学、白百合女子大学をへて、現在、筑波大学名誉教授
石木利明[イシキトシアキ]
1958年生まれ。上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。現在、大妻女子大学准教授
田口孝夫[タグチタカオ]
1947年生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。現在、大妻女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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