感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえぽん
54
1995年のブローデル「地中海」完結記念シンポジウムの内容に、2018年の編者による海洋アジアと近代世界システムに係る講演録等を加えた作品。国史、東洋史、西洋史のタコツボ的歴史研究と陸中心史観の打破を唱え、近時流行のグローバル・ヒストリーの手法にも通ずる討論。「地中海」を含めたイスラム世界の伸縮を媒介にした歴史理解の重要性、東洋・西洋の結節点である東南アジアの経済的な重要性、近代文明の黎明期に貨幣素材の流出に悩んだ英日両国が採った産業革命と勤勉革命という生産革命の対比など、目から鱗の史観に興味は尽きない。2025/05/06
伊藤直起
0
著者は静岡県知事の川勝氏。 ブローデルの『地中海』の扱った地中海や欧州・イスラム圏を深掘りすると言うよりかは、同書的な考察を日本周辺の海域や諸島、インド洋などに適用して考察すると言う感じ。 もちろん西洋についても扱う。イスラム化した地中海東岸あってこそトゥール・ポワティエ間の戦いで欧州の統一性とキリスト教化を促したという視点は面白いと思った。2022/02/03
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