出版社内容情報
日本の生物物理学の創設・開拓・牽引者、大沢文夫のエッセンス!
単細胞生物ゾウリムシの運動を観察すると、外からの刺激なしで方向転換するなど、“ゆらぎ”を内部にもつ生き物のあり方が見えてくる。これは外部の“仲間”との関係でも変化し、「仲間がいるから自発性が大きい」としか表現できないように見える。ゾウリムシからヒトまで、“自発性”のあり方に段階はあっても、断絶はない。“心”もまた同じである。
大沢 文夫[オオサワフミオ]
●大沢文夫(おおさわ・ふみお)
1922年大阪府生。理学博士。1944年東京帝国大学理学部物理学科を卒業、名古屋帝国大学理学部助手。50年に助教授、59年に教授。61年に理学部附属分子生物学研究施設教授。68年より大阪大学基礎工学部教授を併任。研究テーマは物理学、生命科学の広範囲にわたり、特に生命現象の機構を解明すべく展開した物理学的方法論は世界的に高い評価を受け、生物物理学の発展に大きく寄与した。中日文化賞(昭和38)、朝日賞(昭和50)、藤原賞、紫綬褒章(共に昭和60)等を受賞。日本学士院会員、名古屋大学名誉教授、大阪大学名誉教授。愛知工業大学客員教授。「大沢スクール」及びその系譜からは、生命科学の分野をリードする優れた人材を多く輩出。86年定年退官し、87年愛知工業大学教授,95年同客員教授。専門は生物物理。
著書『飄々楽学――新しい学問はこうして生まれつづける』(白日社、2005)『大沢流手づくり統計力学』(名古屋大学出版会、2011)『講座 生物物理――生物を物理に、そして再び生物に』(丸善、1998)他。
内容説明
「生物物理」第一人者のエッセンス!「段階はあっても、断絶はない」。単細胞生物ゾウリムシにも、ヒトにも“自発性”はある!では“心”はどうだろう?ゾウリムシを観察すると、外からの刺激にかかわらず方向転換したり、“仲間”が多いか少ないかでも、行動は変わる。機械とは違う、「生きている」という「状態」とは何か?「生きものらしさ」の出発点“自発性”への問いから、「生きもの」の本質にやわらかく迫る!
目次
1 講演 “生きものらしさ”とは何か
2 自発性とは?(ゾウリムシのこと;「ゆらぎ」について―自発の源;自発から意志へ)
3 状態論(状態論で生きものをみる;生きものは“やわらかい機械”をもつか?;筋肉収縮の場合)
幕間 日本の科学者として
4 生きものの“ソフト”を問う―結びにかえて(“古典的な問い”と“現代の問い”と;生きもののソフトは?心は?目的は?;生きもの相互の関係)
著者等紹介
大沢文夫[オオサワフミオ]
1922年大阪生。日本学士院会員、名古屋大学名誉教授、大阪大学名誉教授。理学博士。専門は生物物理。1944年東京帝国大学理学部物理学科を卒業、名古屋帝国大学理学部助手。50年助教授、59年教授。61年理学部附属分子生物学研究施設教授。68年より大阪大学基礎工学部教授を併任。86年定年退官。87年愛知工業大学教授、95年同客員教授。研究のテーマは生命をめぐる科学の広範囲にわたり、特に「生きているという状態」を知るために展開した物理学的方法論は世界的にも高く評価され、「生物物理」の創造と発展に大きく寄与した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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