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バッハ・古楽・チェロ - アンナー・ビルスマは語る

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  • サイズ A5判/ページ数 267p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784865591484
  • NDC分類 760.4
  • Cコード C1073

出版社内容情報

古楽運動を牽引したバロック・チェロの巨匠が初めて語る音楽・楽器・人生。A.ビルスマ+渡邊順生による未発表ライヴCD付き!古楽運動を牽引したバロック・チェロの巨匠が

初めて語る「音楽」「楽器」「人生」。

A.ビルスマ+渡邊順生による未発表ライヴCD付き!



音楽は「言葉」。

そして、演奏とは「語る」こと。



草創期の古楽運動を牽引したバロック・チェロの巨匠と日本を代表するチェンバロ奏者による対話。

レオンハルト、ブリュッヘンらとの交友、「セルヴェ」ストラディヴァリウスをはじめとする名器・愛器、バッハ《無伴奏チェロ組曲》をめぐる音楽論・演奏論を語り尽くす!



アルテスの古楽本シリーズ「Books〈ウト〉」創刊第2弾!



未発表ライヴCD付き!

A. ビルスマ+渡邊順生「佐々木節夫メモリアルコンサート」

1999年10月15日、日本福音ルーテル東京教会

プロローグ(加藤拓未)



第1部 音楽活動、仲間たち、そして人生



 シモン・ゴルトベルク

 父のこと

 ハーグ王立音楽院への入学

 恩師レーヴェン・ボームカンプ

 ネーデルラント歌劇場管弦楽団

 カサルス・コンクール優勝

 スランプ

 ブリュッヘンとの出会い

 音楽家の「キャリア」について

 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

 古楽へのシフト

 テレマン《パリ四重奏曲》の録音

 初期の活動──ブリュッヘンとレオンハルト

 ヴォルフ・エリクソン

 オランダ古楽界のこと

 ロンドム・カルテット

 フェラ・ベッツとの出会い

 ラインベルト・デ・レーウ

 マテイス・フェルミューレン

 ブダペストのリスト賞

 バッハの《無伴奏チェロ組曲》に取りくみ始めた頃

 ハルモニア・ムンディでの録音

 「セルヴェ」ストラディヴァリウスとの出会い

 旅する音楽家

 日本人の古楽演奏家とその聴衆

 アムステルダム音楽院

 チェロのレッスン

 弟子たち

 鈴木秀美

 ラルキブデッリ

 音楽文庫

 私の病気について

 理想の演奏会



ビルスマ・アルバム(写真コーナー)



第2部 チェロ、センツァ・バッソ



チェロについて

 所有している楽器

 ピッコロ・チェロ

 セルヴェ=ストラディヴァリウス

 バロックとモダン チェロの構造の変化について 

 ・エンドピン

 ・ガット弦

 ・スティール弦

 ・弓について

 ・ピッチの上昇

 音楽は「物語」

 重要な音、重要でない音

 「語る」音楽

 聴衆とともに演奏する

 「線の太い」音楽と「語る」音楽



バッハのセンツァ・バッソ

 バッハの無伴奏楽曲とは?

 三つの通奏低音手法

 アンナ・マクダレーナ・バッハの写本について



第3部 《無伴奏チェロ組曲》の奏法



 「ボウイングの原則」一一箇条

 バッハの「エトセトラ」と「ゼクヴェンツ」



《無伴奏チェロ組曲》第1番

 1)プレリュード

 2)アルマンド

 3)クーラント

 4)サラバンド

 5)メヌエット

 6)ジーグ



◎フランス様式とイタリア様式のボウイング



《無伴奏チェロ組曲》第2番

 1)プレリュード

 2)アルマンド

 3)クーラント

 4)サラバンド

 5)メヌエット

 6)ジーグ



◎運指法にかんして



《無伴奏チェロ組曲》第3番

 1)プレリュード

 2)アルマンド

 3)クーラント

 4)サラバンド

 5)ブーレ

 6)ジーグ



◎六つの組曲が作曲された順番は?



《無伴奏チェロ組曲》第4番

 1)プレリュード

 2)アルマンド

 3)クーラント

 4)サラバンド

 5)ブーレ

 6)ジーグ



◎ヴィオラ演奏説



《無伴奏チェロ組曲》第5番

 1)プレリュード

 2)アルマンド

 3)クーラント

 4)サラバンド

 5)ガヴォット

 6)ジーグ



◎ヴァイオリンの名手バッハ



《無伴奏チェロ組曲》第6番

 1)プレリュード

 2)アルマンド

 3)クーラント

 4)サラバンド

 5)ガヴォット

 6)ジーグ



第4部 音楽について、そしてボッケリーニ



 「文化」と「芸術」の違い

 演奏家について──グレン・グールド、パブロ・カサルス

 室内楽

 ヴィヴァルディの音楽

 ベートーヴェン

 モーツァルトの協奏交響曲(未完成)の第1楽章

 ボッケリーニ

 弦楽五重奏曲の録音

 作曲家ボッケリーニについて

 「ボッケリーニのメヌエット」

 ボッケリーニの音楽と時代精神

 ボッケリーニの弱音表示

 「人を楽しませる」音楽

 ハイドン、ベートーヴェンとボッケリーニ

 ボッケリーニの「サウンド」

 シューベルトへの影響

 ボッケリーニの消滅



ビルスマの思い出と彼の芸術(渡邊順生)



 ビルスマの思い出

 ◆ビルスマの演奏

 ◆佐々木節夫メモリアル・コンサート

 ビルスマのレコード

 ◆アンナー・ビルスマ・コレクション

 ◆ヴォルフ・エリクソンとダス・アルテ・ヴェルク・シリーズ(テレフンケン)

 ◆セオンとBASF

 ◆一九八〇年代の録音

 ◆ヴィヴァルテと一九九〇年代

 ◆ベートーヴェンのチェロ・ソナタ

 ◆バッハの無伴奏チェロ組曲のDVD



付録:CD楽曲データ

アンナー・ビルスマ[アンナー ビルスマ]
世界の古楽界をリードするオランダのチェロ奏者。1934年、ハーグに生まれる。ハーグ王立音楽院卒。アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団首席チェロ奏者、ハーグ王立音楽院およびアムステルダム音楽院教授を歴任。ハーヴァード大学から博士号を授与される。グスタフ・レオンハルト、フランス・ブリュッヘンらとともに、古楽器演奏の先駆者として、数多くの歴史的名盤を世に送りだす。バロック・チェロ、モダン・チェロによるレパートリーは、幅広くバロック初期から現代音楽にまで及んでおり、世界中の音楽家・音楽ファンから高い評価と尊敬を集めている。著者に、『バッハ──フェンシングの達人(Bach, The Fencing Master)』(1998)、『バッハのセンツァ・バッソ(BACH senza BASSO)』(2012)、『バッハと特権的少数派(Bach and the Happy Few)』(2014)、『落しもの──バッハの《無伴奏チェロ組曲》の最初の3曲のためのノート(Dropping ? An Exercise Book for the FirstThree Cello Suites of Joha…

渡邊 順生[ワタナベ ヨシオ]
1950年、鎌倉市に生まれる。チェンバロ、フォルテピアノ、クラヴィコード奏者および指揮者として活躍。2010年度サントリー音楽賞受賞。一橋大学社会学部卒。アムステルダム音楽院でグスタフ・レオンハルトに師事。1977年、最高栄誉賞付きソリスト・ディプロマを得て卒業、またプリ・デクセランス受賞。フランス・ブリュッヘン、アンナー・ビルスマ、ジョン・エルウィス等、欧米の名演奏家・名歌手等と多数共演。ソニー、コジマ録音、創美企画等から多数のCDをリリース。2006年、崎川晶子との共演による『モーツァルト/フォルテピアノ・デュオ』でレコード・アカデミー賞(器楽曲部門)を受賞。著者に『チェンバロ・フォルテピアノ』(東京書籍)、校訂楽譜に『モーツァルト:幻想曲とソナタ ハ短調』、『モーツァルト:トルコ行進曲付きソナタ』(共に全音楽譜出版社)等がある。

加藤 拓未[カトウ タクミ]
1970年、アメリカ合衆国ワシントン州シアトル生まれ。専門はドイツ・バロック音楽史(特に受難曲の歴史)。国立音楽大学大学院修了。明治学院大学大学院博士後期課程修了(博士〔芸術学〕)。NHK-FM「バロックの森」「ベストオブクラシック」に解説者として出演。共著に『バッハ・キーワード事典』(春秋社)など。現在、明治学院歴史資料館研究調査員、合唱団「バッハ・ゲゼルシャフト東京」代表。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

53
ビルスマ先生を初めて聴いたとき、正直言って全くいいと思わなかった。音楽は「歌うこと」と教えられてきたのに、こんな「語る」音楽の何が美しいのかと。でも今なら、先生の仰ることが理解できる。アンナ・マグダレーナ筆写本を徹底的に分析し、ボウイングにここまで拘ってバッハにアプローチされる姿に頭が下がる。「第1番のプレリュードをアラ・ブレーヴェの拍子で演奏するのに何度も出会うが、全く見当違いな解釈だから即刻止めるように」「バッハでは2回連続のアップボウやダウンボウをしてはいけない」…ギクッ!全部自分のやってることだ。2020/09/04

ひろみ

9
具体的な演奏のことから、様々なエピソードまで時に声を上げて笑いながら、本当に楽しく読みました。これまでもバッハでフレージングに迷うと、まず手に取るのは必ずビルスマでした。私の手元の音源は1回目の録音で、彼がアンナ・マクダレーナの写譜を研究した後の録音はないことを今回知って、本当に本当に残念に思いました。昔のフランスとイタリアのボーイングの違いなど、聞いたことのない話が沢山あって、音楽をやってるたくさんの人に読んでみてもらいたいと思いました。そんな人達とアンサンブルしたら楽しそうだなぁ。2020/03/17

Wataru Hoshii

6
ビルスマが難病を患い、もうチェロを弾けなくなっていることを初めて知った(手足の随意筋の障害のため、命に別状はないとのこと)。古楽鍵盤奏者の渡邊順生さん(ビルスマの長年の友人でもある)が、アムステルダムのビルスマの家を訪れ、彼の人生と音楽についてインタビューした本。チェロを弾く人はもちろん、クラシック音楽を愛する人ならば、あまりの面白さに一気に読み終えてしまうだろう。バッハの「無伴奏チェロ組曲」のボウイング研究も興味深い内容。この研究成果を反映したビルスマの演奏を聴くことができないことを、非常に残念に思う。2017/01/02

Mochizuki

1
チェロを歌う楽器と認識しているが、ビルスマに言わせるとチェロは語る楽器。古楽に通暁したビルスマは、モダン奏法な対して冷ややかな視線を送るが、なぜビルスマがバロックの奏法に拘るのかをよく理解できる。 無伴奏チェロ組曲の奏法についての解説は、実際の演奏する上で、非常に裨益する。バッハの意図していないであろうスラーなどのアーティキュレーションを勝手に変更する私たち現代の演奏に対してビルスマは諭すように語りかけてくる。本書を読むうちにビルスマからレッスンを受けているような気持ちになった。2019/01/30

うたういぬ

1
この本を読んでいる途中、さっそくビルスマ演奏の無伴奏チェロ組曲を買った。なるほど確かに雄弁に語るバッハ。チェロに限らず、楽器をやっているとバッハの存在は避けて通れない。避けようと思えば避けれるけど、バッハの魅力には勝てない。この作曲家の作品を演奏するための音へのアプローチを丁寧にユーモアたっぷりに解釈してくれていて、とても参考になった。歌うのではなく語る音楽、という言葉にほとんどすべてが込められている、のではないかなと思う。巻末の付録?のCDも素晴らしいです。2017/02/16

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