Booksウト
古楽でめぐるヨーロッパの古都

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  • サイズ B6判/ページ数 279p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784865591439
  • NDC分類 762.3
  • Cコード C1073

出版社内容情報

中世から18世紀末まで、ヨーロッパの街を音楽でたどる紀行エッセイ。有名都市から隠れた名都までチェンバロ奏者がご案内。西洋音楽が生まれた中世から18世紀末まで、ヨーロッパの街と人と音楽とのつながりをたどる紀行エッセイ。

訪れるのは、ヴェネツィア(イタリア)やアントウェルペン(ベルギー)といった有名都市から、ザンクト・ガレン(スイス)、クレモナ(イタリア)、ツェルプスト(ドイツ)などの隠れた名都、さらにはキプロス島や中南米まで足を伸ばします。

歴史と旅をこよなく愛するチェンバロ奏者が案内するひと味違った音楽旅行へようこそ!



アルテスの贈る古楽本シリーズ〈Booksウト〉、創刊第1弾!

まえがき



第1章 ザンクト・ガレン[スイス]──修道院に聖歌がひびく

雨の中央駅

ザンクト・ガレンの発祥

キリスト教を広めた国王

大聖堂と図書館

修道院の写本製作

グレゴリオ聖歌

虚弱なノトカー

新しい聖歌

頑強なトゥオティッロ



第2章 ニコシア[キプロス]──地中海の果てのフランス

ヴィーナスの島キプロス

ニコシアにフランス宮廷ができるまで

宮廷文化の開花

ニコシアの宮廷音楽

フランスでの音楽の推移

演奏されなかった写本



第3章 アントウェルペン[ベルギー]──交易と商業で栄えた街

三〇〇年前の音に触れる

アントウェルペンの黄金時代

市民たちが支えた街の音楽

チェンバロ界のストラディヴァリ

ルッカースの企業秘密

贋作の多い製作家

あるオルガニストの逃亡

ブルのアントウェルペンでの活躍

ヨーロッパの聖歌隊員養成所

大聖堂のオルガンとカリヨン

商業的楽譜出版の元祖



第4章 リューベック[ドイツ]──「夕べの音楽」とハン諸都市

運河に囲まれた街

聖マリエン教会のオルガン

ハンザ都市リューベック

祭壇で埋め尽くされていた教会

「夕べの音楽」のはじまり

リューベックに至るまで

「夕べの音楽」の発展

バッハが北ドイツに見ていたもの

オルガン製作家について



第5章 セビーリャ[スペイン]──新世界に開かれた街

オペラの舞台・セビーリャ

異文化に開かれた窓

イスラム建築の宮殿で

モスクで弾いた鍵盤の巨匠

ローマ教皇お抱えのセビーリャ人

海賊に襲われた音楽家



番外編 プエブラ[メキシコ]──インディオの聖歌隊

メキシコの聖堂に響いた音楽

スペイン人の入植と宣教活動

パディーリャのプエブラでの活躍

プエブラの成立とその特殊性

芸術のパトロン・メンドサ大司教



第6章 クレモナ[イタリア]──ヴァイオリン製作の聖地

ヴァイオリンへの憧れ

中世の面影を残す街

ヴァイオリンの街で育った声楽曲の巨匠

片田舎から芸術の街へ

モンテヴェルディとストラディヴァリの間に

ストラディヴァリの師匠は?

ひとり勝ちの名匠

逆境を転機に



第7章 ツェルプスト[ドイツ]──歴史に翻弄された街

マクデブルクからツェルプストへ

旧東ドイツの小さな街で

市壁と塔に囲まれた街

七〇年にわたる宮殿建設

宮廷楽団の確立

国際ファッシュ協会

宮廷楽長までのあゆみ

ファッシュと宮廷楽団

エカチェリーナ二世の誕生

宮廷の所蔵楽曲リスト

ツェルプストの悲劇



第8章 マンハイム[ドイツ]──モーツァルトの就職活動

碁盤の目の街並み

モーツァルトが訪れた街

カール・テオドールの宮廷音楽

選帝侯の生い立ちとフランス趣味

ヨーロッパ最強のオーケストラができるまで

「神童」のシュヴェツィンゲン・デビュー

モーツァルトの就職活動



第9章 ヴェルサイユ[フランス]──太陽王が創造した宮殿

狩猟の城から王の居城へ

太陽神アポロンの城館

ルイ一四世の宮廷生活と音楽

フランスにやって来たイタリア少年

宮廷音楽家の頂点へ

ヴェルサイユの饗宴

オペラ上演権をめぐって

音楽悲劇とは

オペラが上演されるまで

王を称える題材の変化

小アパルトマンの整備

公式行事と夜会

宮廷とクラヴサン

クープラン一族



第10章 ヴェネツィア[イタリア]──聖俗が交錯する街

アドリア海の女王

この上なく晴朗な共和国

サン・マルコ寺院

サン・マルコ寺院の楽長として

オペラの成功と晩年

オペラの誕生

世界初の公開オペラ劇場

赤毛の司祭

劇場の跡をめぐる

女子養育院での演奏会

女子養育院でバスを歌ったのは

ヴェネツィアのもう一つの顔

養育院の背景にあるもの



あとがき

参考文献

渡邊 温子[ワタナベ アツコ]
国立音楽大学、ドイツ・ヴュルツブルク音楽大学卒業。チェンバロを有田千代子、グレン・ウィルソン各氏に師事。2002年より3年間アメリカ・ワシントンD.C.に滞在。ワシントンD.C.、ヴァージニア州、メリーランド州で演奏活動を行う。2004年よりワシントン古楽祭に招聘され、アメリカ古楽界を牽引する多くの演奏家と共演。現在は東京を中心に演奏活動を行うとともに、無料メールマガジン「月刊バロック通信」や市民講座、レクチャーコンサートを通じてバロック音楽の魅力を広める。演奏家の視点から17・18世紀の音楽について解説する講演は好評を博し、これまでに130回を数える。
武蔵野学院大学・大学院非常勤講師、タニタ楽器音楽教室チェンバロ科講師、日本チェンバロ協会正会員。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よみこ

4
チェンバロ奏者による、古楽を題材にヨーロッパの都市をめぐる旅。中世から18世紀の音楽家と彼らが活躍した街の歴史の描写を通し、その時代の芸術と都市の多様性の一部が垣間見える。ここに掲載された全ての都市に行って音楽を体験してみたい。おそらく西洋の音楽芸術理解の基礎となるものと思う。2018/04/07

お抹茶

0
中世ヨーロッパからバッハの頃までの音楽と街の歴史を題材にした本。宮廷や教会が音楽の発展に大きな影響を及ぼした。ドイツ,フランス,イタリアが主かなと思いきや,セビーリャ(スペイン),ニコシア(キプロス),さらにはプエブラ(メキシコ)などにも筆を運ぶ。2022/11/21

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