出版社内容情報
大泉りか[オオイズミリカ]
著・文・その他
内容説明
今日、300万でシャンパンタワーをやった。自分の身体を売っても貢ぎ続けたい。わたしは担当のエースだから―。ホストにハマるオンナの愛と性と心の闇。
目次
エースで居続けるために大学中退を決めた女(有香、22歳)
5千万以上の“売り掛け”を抱える女(結衣、30歳)
ホストは「推し」と言い切る女(サヤカ、27歳)
日本最大のホストクラブ街・新宿歌舞伎町を歩く
都内と大阪を行き来しながら担当の店に通う女(舞、25歳)
同棲解消を機にホス狂いを“卒業”した女(澪、24歳)
ホスクラの楽しさとは何なのか?(初回潜入ルポPart1)
世間を騒がせた、衝撃のホスクラ事件簿
生活費以外はすべてホストに注ぎ込む女(希美、37歳)
ホス狂いの憧れ「担当との結婚」を実現した女(美咲、31歳)
三十年間ホストクラブに通い続ける女(加奈子、48歳)
ホスクラの楽しさとは何なのか?(初回潜入ルポPart2)
著者等紹介
大泉りか[オオイズミリカ]
1977年、東京都生まれ。SMショーのモデルやキャットファイターなど、アンダーグラウンドな世界にどっぷりと浸かった20代を過ごす。2004年に『ファック・ミー・テンダー』(講談社)で作家デビュー。以後、官能小説や女性向けポルノノベル、女性の生き方をテーマとしたエッセイなどの執筆を中心に活躍。漫画の原作なども手がけ、20冊以上の著書を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
17
★★★★ ホストにハマる女性のルポ。ホスト達の手練手管は江戸の妓楼や遊女を思わせる。対象は変わっても、人の心の掴み方はいつの時代も変わらないのか。女性達の客として扱われているのは承知の上とか、お金を使うのが楽しいからって言うのが、自分はのまれているんじゃなくて分かってやっているんだって主張しようとしているように思えて、タバコはいつでもやめられると言いながら吸い続ける人に似てる気がする。そう思わなきゃやってられないとこもあるんだろうな。2023/06/05
marumo
10
もっとズブズブなのかと思ったら、案外みなさんどこかで冷めている。作者が「青春」って言ってるけど、確かに危険な部活という感じ。頑張って稼いで大金投入したいから「担当」を見つけるのか。煌びやかで、イケメンがチヤホヤしてくれて…って、どんなもんかなと。で、YouTubeでいろいろ見てみたけど、正直掃き溜めかと思った。何千万プレイヤーとか言っても普通にイケメンじゃないし、頭悪いし…。推し活っていろんなフィールドがあるけど、その中でも最低ランクだと思った。本もインタビューを羅列してるだけで作者の視点は何もなし。2022/12/25
ふじこ
8
ホストに大金を注ぎ込む女性のことをホス狂いと呼ぶ。時代と共にその在り方は変化しており、最後までとても興味深く読んだ。大泉さんも言うようにホス狂いの女性たちはよく働きよく稼ぐ。ホストクラブで大金を使うのは打ち上げ花火に似ている。華やかで、一瞬で弾けて、でも目の裏に映った美しい残像をまた再現したくてお店に通う。夢のある職業だが給料袋が立つほど稼げているのは全体の一割ほどだという。コロナ禍における歌舞伎町の移ろいに諸行無常と盛者必衰を感じる。ホス狂いの数だけドラマがある。読み応えのある一冊だった。2022/08/29
しげ
6
歌舞伎に「型」があるように、歌舞伎町のホスト文化にもある種の「型」が存在しているように感じました。被りは伝票で殺す、アドトラックに顔写真を載せることが名誉、といった独特の美学や価値観が、そこに集う人々の共通認識として醸成されているような印象を受けました。多様な生き方を選択できるようになった時代の中で、あえて「型」にはまったほうが生きやすい、と感じる人も少なくないのかもしれません。2023/09/14
きょん
6
佐々木チワワ氏の「姫」視点の著作に比べると客観的な視点のルポで、じっくり読めた感じがする。「私たちに金を稼いでほしいから甘い言葉を言うけれど、結局、どうでもいいんですよ」「払えば払うだけ一緒にいられるという今のホスト業界は綺麗な飲み方だとは思わない」ハマりつつもその自分や担当ホストのありようを実に冷静に見ている。しかし、彼女たちに他人の売掛金まで背負わせたり、店の金を使い込んで飛んだ担当の尻拭いをさせるとか、業態としてかなり悪質だと思うのだが、なぜそれを受け入れるんだろう?ホスト愛しき故なの?2023/01/15