内容説明
「幽霊マンションに住んで、何が起きるか連載しろよ」全ては編集長の一言から始まった。オレは霊やオカルトの類はいっさい信じないタチだから、正直、そんなに怖くもなかったのだが…。深夜に聞こえる拍子木の音、誰もいない部屋から謎の足音、次々と一家を襲う不幸な事件。雑誌の企画で2軒の事故物件で暮らしたオレと家族の身の回りに起きた出来事すべて!
目次
第1章 豊島マンション205号室(拍子木の音が;4人は何故ウツになったのか;建部、蒸発す;宇都宮での日々;流し台に何かが ほか)
第2章 春日部コート508号室(心中ルームに連泊した義母;三角関係;豊島マンションの新住人;父帰る;事故を起こす次男、カネを取られる義母 ほか)
著者等紹介
建部博[タテベヒロシ]
1984年東京都生まれ。「裏モノJAPAN」元編集部員。広告代理店勤務、フリーライターを経て、現職は「月刊MONOQLO」(晋遊舎刊)のデスク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
67
雑誌の企画で事故物件に住み始めた著者が結婚しても別の事故物件に住み続ける話。怪談と思い読み始めたのだが、違う意味で目が離せない。冒頭に怪異らしきものは示されるのだけど、残りは全て著者の周囲の人間関係ばかり。それが始まってからは怪異はむしろ雑音に思えて、そっちに集中させられてしまった。新婚早々元彼と浮気する嫁、行方不明だったのが突然見つかる父、出会い系サイトにハマる義母と出てくる人物が兎に角濃いのがその理由かなあ。それが暗くならずむしろ明るく感じられるのは著者の文才かなあ。いや、色んな意味で面白かった。2023/12/13
トムトム
30
うむ。オカルトかどうかは抜きにして。普通に人生を生きているつもりが、いろいろ面倒くさいこと(不幸?)が起きるのだなぁ。この家に住んだ霊障かどうかは知らんけれど、不幸な人のあれこれをのぞき見した出歯亀な楽しみはありました。暇つぶしとしては優秀!2021/12/06
かおりんご
28
ホラー。実際に事故物件に住まれたエピソードなんだけど、無理矢理霊障にしてる感じ。さらさらっと読めて、怖さ0。唯一ヒットしたのは、エスパー小林の登場だけ。小林さん、いろんな仕事されてますな。2019/12/21
さといも
23
さすが鉄人社。くだらね〜。笑。これきっとタニシさんとかだったらホラー色が強くなると思うんだけど、建部さんだと全然ホラー色じゃなくて人間の闇見るわ!ちゃんとおかしな事も起きるし、建部さんも鬱になったりしてるしきっと何かしらの霊障があったような気もするんだけど、建部さんが軽いからこの家族が違う意味で怖いな…大丈夫か?って思っちゃう。これはホラーじゃないです。ある家族の日常生活です。ホラーとしては私はおススメしません。2019/07/23
佐倉
12
ムー書評大全から。裏モノJAPANの連載企画と言えばどんな感じが分かる人は分かるだろう。この低俗さ、うらぶれ感(褒め言葉です)でしか味わえない空気感というものがある。自殺や心中があった物件で暮らす建部一家に不幸が…!というものの内実は義母が出会い系に填まったの妻が浮気したの弟が金を持ち逃げしたのと家族の気性や関係に起因するものばかり。精々天井からの異音と階下住民からの苦情くらいのものである。ただの一家のゴタゴタが瑕疵物件に住んでいる一点でオカルトになっていると言うべきか。怪異の在り方を考えさせられる一冊。2023/11/11