内容説明
『階級を選びなおす』をはじめ『アイヌの世界に生きる』の初出稿(土と雪のあいだ)など、この稀有な生き方を選んだ女性の全軌跡を集成!
目次
1 階級を選びなおす(水産加工場;農業労務者;観光地;短章)
2 土と雪のあいだ(自分の占める地点に立って;砂の重さ―北海道の女子出稼労働者の十年間;ある差別―虚構のコタンから;壁のなか―アイヌ・父と娘;土と雪のあいだ―あるアイヌ農婦の七十年;文様と刺繍と女たち)
3 個と女(なぜひとりでいるのか―抽象的人間関係について;基になるもの―働く女たちの中で;「天皇」に対置し得るもの;割り切るところ)
4 回想 京都(最初の訛り;太田典礼とふるさと;最初の本が出るまで;60年代後半からの年月;海辺の村;ぜいたく貧乏の家―京都・上賀茂・芸術の父 井上美奈子さんの10才;上賀茂のころ)
5 北海道から拾遺 (ゆうびんばこ;同時代観;現場の目;由美さんのこと;智子さんのこと;北海道の生活から 釧路の街;北海道その後)
著者等紹介
茅辺かのう[カヤベカノウ]
本名、井上美奈子。1924年、京都府の丹後・宮津に、日本画家・井上永悠の長女として生まれる。1948年、京都大学を中退。その後、東京で編集者として働く。1961年、政治運動をともにした男との生活を引き払い、季節労働者として北海道を10年以上転々とする。1973年、京都の実家に引き返し両親の最期をみとる。2007年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。